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大相撲・九州場所はココが必見!
注目の御嶽海、若手3人、そして……。
text by
荒井太郎Taro Arai
photograph byKyodo News
posted2019/11/09 11:50
7月場所で9勝、9月場所で12勝を挙げ優勝した御嶽海。今場所の結果次第で、大関昇進の可能性が十分ある位置につけている。
大鵬、貴花田、そして御嶽海と続くか!?
1年納めの九州場所を前に御嶽海には年間最多勝の期待も懸かっている。
ここまで5場所で45勝は阿炎と並んでトップタイ。これを朝乃山が44勝で追い、さらに大関豪栄道が43勝で続いている。
今年は休場がすでに3場所ある白鵬は37勝。トップ3に横綱、大関陣の名前はないが、年6場所制となった昭和33年以降、関脇以下の力士が年間最多勝に輝いたのは昭和35年の大鵬と、平成4年の貴花田のみ。ブレークを果たした両者はこれをきっかけに瞬く間に番付を駆け上がり、のちに時代の覇者となった。
今年の年間最多勝も3年連続で60勝に到達することはなさそうだが、若手3人がトップを争うという状況は時代の変わり目を感じさせる。
若手の阿炎、朝乃山、北勝富士らに注目。
今年はまだ負け越しがない阿炎は新三役から連続勝ち越し。
今場所も番付運に恵まれず3場所連続小結だが「そのうち上がるし」と気にする素振りもない。場所前はいつも「優勝を狙います」と宣言し、ここ一番では立ち合い変化も厭わないなど、物おじしない性格はまさにプロ向き。年間最多勝を狙えるポジションにいるということは、実力が安定してきた証拠でもある。
先場所は上位陣総当たりの地位で初の勝ち越しとなる10勝をマークした朝乃山も、来年早々には大関候補に名乗りを上げそうだ。
左上手を引きつけながら、横綱鶴竜を堂々と寄り切った先場所の一番は圧巻。右四つの本格派の四つ相撲はスケールの大きさを感じさせる。
小結に返り咲いた北勝富士も先場所は1勝6敗から8連勝と底力を発揮。連勝連敗が目立つ“ツラ相撲”のきらいはあるものの下位力士に取りこぼすことは比較的少なく、着実に力をつけてきた。