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大相撲・九州場所はココが必見!
注目の御嶽海、若手3人、そして……。
posted2019/11/09 11:50
text by
荒井太郎Taro Arai
photograph by
Kyodo News
11月10日に初日を迎える九州場所は、御嶽海の大関取りに注目が集まっている。自身2度目の優勝で幕を閉じた先場所千秋楽の優勝インタビューでは「皆さんの期待に応えられるように、11月場所で決めたいと思います」と本人は堂々と公言した。
三役連続在位は史上単独2位の17場所目を迎え、実力は安定していると言えるが、この間、2桁勝ち星は優勝した場所の2回だけ。昨今は直近の3場所で33勝以上が大関昇進の目安と言われているが、御嶽海にはまだ三役で連続して10勝以上の星を挙げた経験がなく、今場所は未知の領域への挑戦となる。
「今までは負け越さない調整法であって、2桁の調整法ではなかった。そこが難しいところ」と大関取りに向けて、まずはこれまでの調整ぶりを見直すことから始まり、今回の秋巡業は比較的、早めの始動となった。しかし、申し合いの番数は増えたものの「基礎運動が少なかった」と話し、稽古に関しては試行錯誤が続いているのが現状だ。
両横綱出場場所での2桁勝利は重要。
過去2度の優勝した場所はいずれも横綱陣が休場で不在。横綱と対戦することなく賜盃を抱いた。
白鵬、鶴竜の両横綱が出場する今場所で、立ちはだかる大きな壁を乗り越えてしっかり結果を残すことができれば、これも御嶽海にとって初めての経験になる。
審判部は今場所が大関取りとは明言していないものの、横綱を撃破して勝ち星を2桁に乗せれば、おのずと昇進ムードも出てくるだろう。順調に白星を重ねていって場所の大詰めを迎えれば、これまでの比ではない重圧にも晒されることになる。
実力は誰もが認めるところだが、こうした“初物づくし”をいかにクリアできるか。
「自分にプレッシャーをかけていかないと」と大関取りを公言した真意をそう語る。今場所後に大願成就できなくても、せめて次につながる成績は残したいところだ。