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「菊花賞は武豊で買え」を再び証明。
ワールドプレミアと最年長記録樹立。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2019/10/21 11:30
皐月賞馬、ダービー馬不在の菊花賞を制したのはワールドプレミアと武豊。まだキャリア6戦目、底は見えていない。
19歳と50歳での菊花賞勝利。
「状態がよかったし、勝てるレースをしようと思っていました。今日も入れ込んでいたし、まだ改善したいところもありますが、道中は折り合いがついていたし、上手に走ってくれました。ディープ産駒ですし、ぼく自身、久しぶりの菊花賞優勝なので嬉しいです」
そう話した武にとって、1988年スーパークリーク、'96年ダンスインザダーク、2000年エアシャカール、'05年ディープインパクトに次ぐ、菊花賞史上最多勝記録を更新する5勝目となった。
スーパークリークで勝ったときは騎手デビュー2年目。19歳7カ月23日という最年少優勝記録を樹立した。
今回は50歳7カ月6日での勝利となり、'40年にテツザクラで制した伊藤勝吉の48歳9カ月23日の最年長記録を更新した。
距離が持つディープ産駒が増えた?
出来すぎのドラマのようだが、ディープの死後、産駒による初めてのGI勝ちをやってのけた孝行息子の鞍上にいたのは、ディープの主戦をつとめた武だった。しかも、80回の節目で、キズナのダービー同様、ディープで勝ったとき以来の勝利であった。
よく「長距離は騎手で買え」と言われるが、実際、武は、'16年の菊花賞では6番人気のエアスピネル、'18年は10番人気のユーキャンスマイルを3着に持ってきている。「菊花賞は武で買え」と言ってもいい。
2着のサトノルークスもディープ産駒だったわけだが、ディープ産駒による初めての平地芝3000m以上での勝利は、サトノダイヤモンドによる'16年の菊花賞だった。
昨年のフィエールマンもディープ産駒だから、ここ数年で、ずいぶんイメージが変わった。