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NBAにありBリーグにないプレー。
ジャパンゲームズで見えた差とは。
text by
青木崇Takashi Aoki
photograph byKiichi Matsumoto
posted2019/10/18 07:00
今年ドラフト外でラプターズに入団したルーキーのテレンス・デイビス(左)。アグレッシブなプレーでさいたまスーパーアリーナを沸かせた。
3Pに対しては、必ず飛ぶ。
ディフェンスに目を向けると、3Pシュートを簡単に打たせないという意識が強い印象を持った。
シューターへのクローズアウトに対しては、必ずと言っていいくらい手を挙げてのコンテストを実践。着地時や勢い余ってのコンタクトによるファウルをしないようにしながら、シューターの利き手側に向かってしっかり手を挙げてジャンプしていた。
日本でよく見られるクローズアウトでシューターの前で止まり、ハンズアップしただけの状態というシーンはほとんど見られない。
NBAのハードワークは基礎水準が高い。
第2戦の第4クォーター残り7分11秒からこんなシーンがあった。
トップの位置からドライブしたクリス・クレモンズが、左コーナーでフリーになっていたダニュエル・ハウス・ジュニアにパス。ラプターズはディフェンスのローテーションで遅れていたが、左ウイングにいたアイザイア・テイラーがコンテストで飛ぶと、ハウス・ジュニアはフェイクを入れてから3Pを打とうした。
ところが、その直後に身長208cmで腕の長いクリス・ブーシェイが跳んでくると、もう一度フェイクしてトップにいたオースティン・リバースにパスした瞬間、レフェリーが笛を吹く。リバウンドへの対応でゴール下にいたアイザイア・ハーテンステインの3秒バイオレーションである。
このターンオーバーは、ラプターズの選手たちが決して諦めることなく、シューターに対してコンテストをし続けた成果だった。
派手なオフェンスに目が行きやすいNBAであっても、ディフェンスのハードワークは必須。シューターへのコンテストは、日本のバスケットボール界がもっと焦点を当てて学ぶべき要素という認識を持った。