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NBAにありBリーグにないプレー。
ジャパンゲームズで見えた差とは。
text by
青木崇Takashi Aoki
photograph byKiichi Matsumoto
posted2019/10/18 07:00
今年ドラフト外でラプターズに入団したルーキーのテレンス・デイビス(左)。アグレッシブなプレーでさいたまスーパーアリーナを沸かせた。
シュートを打つためのコンタクト。
オフェンスの参考例で代表的なものとしては、ゴールへアタックした際にディフェンスをかわすプレーの少なさだ。
第1戦の第4クォーター開始早々の11分53秒、ラプターズのテレンス・デイビスがダンクを叩き込んだシーンは、アグレッシブにフィニッシュすることの重要さを象徴していた。
日本人選手の多くは、デイビスのような高い身体能力を持ち合わせていない。しかし、ダンク前のジャンプでディフェンダーにコンタクトし、ブロックショットをしにくい状況を作り出していた。
他の選手もゴールへアタックする際のフィニッシュ、シューターへのキックアウトは、コンタクトすることが当たり前。
フィニッシュかパスかで迷いがあると、ブロックショットの餌食、ボールを弾かれるディフレクション、ターンオーバーといった結末になることがしばしば見られた。
力強くフィニッシュする、という意識。
Bリーグではゴール下で待ち構える外国籍選手に対し、日本人選手がコンタクトしながら得点するシーンを見る機会は少ない。
フェイクやステップの一歩目でシュートを打つといったタイミングをずらすプレーは、強いフィニッシュが増えればより有効なものになる。
ワールドカップで日本代表が痛感したフィジカルの差を縮めるために欠かせない要素として、ドライブからコンタクトしながら強くフィニッシュする習慣は、アンダーカテゴリーから身につける必要がある。
名古屋ダイヤモンドドルフィンズの中東泰斗は、10月13日の三遠ネオフェニックス戦で背後からブロックショットを試みたジェシー・ゴーバンを恐れることなく、豪快にダンクを叩き込んだ。
ディフェンダーへのコンタクトこそなかったとはいえ、強くフィニッシュすることに該当する。このようなプレーが増えることは、Bリーグのレベルアップにつながるだけでなく、ファンを魅了するという点でも大きな意味を持つだろう。