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福西崇史が称賛。タジキスタンから
戦意を奪った「南野と鎌田の関係性」。
posted2019/10/16 12:00
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph by
Kyodo News
サッカーワールドカップアジア2次予選、モンゴル戦、タジキスタン戦の2試合で9得点、無失点の2連勝。スコアだけでなく、試合全体を振り返っても今回の10月の連戦で日本代表はきっちりと結果を残したと言えるでしょう。
日本はスコア通り、両チームとの実力差を見せつけたと思います。ただし2戦目のタジキスタンについては8年前にザッケローニ監督体制で対戦した時(※アジア3次予選で8-0、4-0と連勝)に比べて、明らかに実力をつけてきた印象です。
日本が優勝した2018年のU-16アジア選手権、決勝の相手はタジキスタンでした。タジキスタンはこの大会で準優勝したことで今月開幕のU-17W杯の出場権を得るなど、育成年代からの強化が実を結びつつある。2026年のW杯出場を目指しているというのも、あながち間違いではないのかなと感じました。
「タジキスタンのボランチの脇」を見逃さない。
前半のタジキスタンはボールをつないでいく姿勢、そして守備から攻撃への切り替えの速さを徹底していた。これに日本が手を焼く場面が何度かありました。
特に前半24分、ボールを奪われて鋭いカウンターを浴びたシーンは、権田(修一)のファインセーブでしのぎました。もしこれが決まっていたらタジキスタンは守備を固めてきて、もっと難しい展開になったかもしれません。だからこそ、ここで先取を許さなかったのがポイントとなりましたね。
後半に入って日本は、攻撃のテンポが明らかに良くなりました。要因の1つは「タジキスタンのボランチの脇」を見逃さなかったからです。
タジキスタンは時間が経つごとに体力が落ちて、ボランチの両脇にスペースができてきた。それとともに日本は前半1トップに入った鎌田(大地)とトップ下の南野(拓実)の関係性を少し変えた。簡単に説明すると、鎌田が降りてきて、南野が前線に張り続けるようにしたんです。