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板倉滉、オランダでの充実の日々。
代表は「嬉しさ」と「危機感」と。
posted2019/10/19 19:00
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
JFA/AFLO
10月4日、RKC戦。インターナショナルウィークが始まる直前の試合だ。
板倉滉はシャワーも浴びず試合後の格好、つまり半袖のユニフォームで、汗や芝や泥にまみれている状態で試合後のミックスゾーンに現れた。その2、3日前から急に冷え込み、その日は小雨もぱらついた。観戦するには薄手のダウンジャケットが必要な気候だった。
「急に寒くなりすぎじゃないですか、こっち」
オランダの空模様の見事な変わりっぷりに驚きつつ、話し出す。クラブスタッフが慌てて持って来たベンチコートを羽織り、丁寧にファスナーを閉めながら続ける。
「見てる方が寒いでしょ? プレーは大丈夫ですけど、寒いなあとは思います」
気遣いは3-0の完封勝利に貢献したから気分が良いからというわけではないだろう。場を和ませる明るさと観察眼、自然と好感が持てた。
チームではCB、代表ではボランチ。
板倉は今季フローニンゲンでレギュラーのセンターバック(CB)としての立場を確立、リーグ戦全9試合にフル出場しているが、代表では少々立場が違う。
この夏のコパ・アメリカで初めて招集され、2試合に出場。9月、10月と連続で招集されているが4試合中、キリンチャレンジ杯パラグアイ戦に出場したのみ。2次予選には未だ出場がない。ポジションも、出場した3試合全てでボランチを務める。オランダで自信を掴んでいるCBではないのだ。
「フローニンゲンでボランチやってて、代表でCBっていう逆のパターンだと全然できると思うんですけど、やっぱりCBからボランチとなると、ボランチは簡単なポジションじゃないと思うし……」
と、苦戦の様子だ。