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森保一監督「いまの勝利と今後の発展」
ベストメンバーで2次予選を戦う理由。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTsutomu Takasu
posted2019/10/11 11:45
大迫勇也が不在の1トップに入った永井謙佑もゴールを決めた。スタメンの座は勝ち取るしかない。
後半のメンバーは連動性がまだ足りない。
3人の選手交代によって、2列目は後半だけで3パターンの並びが見られた。安西の右サイドバック、鎌田の1トップも含めて、「今後の発展」を意識した采配だっただろう。
コンビネーションが十分でないとしても、力関係を考えれば後半の2得点は少ない。実際に決定機はあったのだから、7点目、8点目を奪わなければいけない、との指摘は成り立つ。
同時に、選手を入れ替えても連動性を保つには至っていない現実がある。崩しの局面でのワンタッチプレーが減ったのは、連動性の欠如として分かりやすい。サイドを攻略したのは前半と同じでも、ペナルティエリア内まで入り込んだシーンは減っている。その代わりに、ミドルシュートが増えた。
ベストの布陣には確かな意味がある。
代表チームとしての活動のほぼすべてが公式戦に充てられる現在は、試合を消化しながら練度を上げていく必要がある。コアメンバーを中心とするチームのベースアップをはかり、並行してバックアップ層の充実を図っていくのだ。2次予選でそこまでクリアしておかなければ、来年9月開幕予定の最終予選に準備万端で臨めない。
モンゴル戦では冨安健洋が終了間際に負傷し、15日のタジキスタン戦の出場は絶望的となった。戦線離脱が長期化すれば所属するボローニャでの立場が危うくなってしまうが、こればかりは早期回復を祈るしかない。吉田麻也と冨安に次ぐセンターバックに経験を積ませ、緊急事態への対応力を高めていくことに集中するのだ。
国内組での出場が決定的な12月のE-1選手権を除けば、年内はあと3試合しかない。それだけに、1試合も無駄にはできない。勝って当然の相手でもベストの布陣で臨むことに、間違いなく意味はあるのだ。