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森保一監督「いまの勝利と今後の発展」
ベストメンバーで2次予選を戦う理由。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTsutomu Takasu
posted2019/10/11 11:45
大迫勇也が不在の1トップに入った永井謙佑もゴールを決めた。スタメンの座は勝ち取るしかない。
遠藤航、伊東純也、永井謙佑の意図。
ミャンマー戦から3人の変更があった。ダブルボランチの一角に、1月末のアジアカップ準決勝以来となる遠藤航が起用された。4-2-3-1の「3の右」に、堂安律ではなく伊東純也が指名された。大迫勇也をケガで欠く1トップは、永井謙佑が務めた。
「選手起用についてはひとつの考え方ではなく、いまの勝利と今後の発展を考えている」と森保監督は言う。
ボランチには9月の2試合で好パフォーマンスを見せた橋本拳人もいるが、守備に重心を置くモンゴルを攻略するには、遠藤のタテパスと空中戦での強さが生きると判断したのだろう。
加入1年目のシュツットガルト(ドイツ)で出場機会を得ていない彼に、プレータイムを与える意図もあったかもしれない。「いまの勝利と今後の発展」のいずれも満たす起用だ。
伊東のスタメンは戦略的な狙いが強いと考えられる。カットインよりタテへの突破を得意とするウイングタイプを使うことで、ピッチの幅を有効活用して相手の守備を広げることができる。
果たして、背番号14を着けた26歳は前半に3つのアシストを記録した。右サイドバックの酒井宏樹との関係もスムーズで、2列目右サイドの選択肢としての輪郭をくっきりとさせた。「今後の発展」が見えてきた。
大迫不在の1トップには、永井のほかに浅野拓磨と鎌田大地が招集されている。ただ、9月に続いての招集は永井だけだ。チームのコンセプトに触れている時間を考えると、永井の先発起用は「いまの勝利」を目ざすのにベターだ。
交代も3枚使い切る展開に。
森保監督は後半に3枚の交代カードを切っている。
1枚目は57分、古傷の右足首に違和感を覚えた酒井宏樹を下げ、安西幸輝が送り出された。左右どちらのサイドでもプレーできる安西だが、過去3度の出場はすべて左サイドだった。伊東とサイドを形成するのは、この試合が初めてだった。
2枚目の交代カードは鎌田大地である。南野に代わって出場し、1トップのポジションに入る。永井がトップ下へポジションを下げた。
鎌田は3月のコロンビア戦とボリビア戦に、1トップで出場している。ただ、2列目には乾貴士、香川真司らが起用されていた。トップ下の永井、2列目右サイドの伊東と、実戦で連携を組むのは初めてだった。
70分に永井と交代して2列目左サイドに入った原口元気も、一緒にプレーするのは初めてである。