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2009年ドラフトの今を検証<広島編>。
今村猛の成功、あとは堂林の覚醒を。
posted2019/10/10 18:00
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
Hideki Sugiyama
第7回は広島東洋カープです!
<2009年ドラフト>
1位 今村猛/投手/清峰高
2位 堂林翔太/内野手/中京大中京高
3位 武内久士/投手/法政大
4位 庄司隼人/内野手/常葉橘高
5位 伊東昂大/投手/盛岡大付高
6位 川口盛外/投手/王子製紙
―育成―
1位 永川光浩/投手/龍谷大
2位 中村亘佑/捕手/横浜商大高
この2009年、チーム成績は5位に低迷し、1998年から12年連続Bクラスに喘いでいた。上位選手が球団を選べる逆指名(自由枠、希望枠)制度が'93年に導入され、資金力に乏しい広島に向って強烈な逆風が吹いていたが、この逆風を止めたのは'05~'07年までの3年間に行われた「分離ドラフト」だった。
この3年間で目立ったのは高校卒選手の頑張りである。他球団を見ると、1巡指名だけでも'05年に陽仲壽(岱鋼、日本ハム)、岡田貴弘(T-岡田、オリックス)、山口俊(横浜)、炭谷銀仁朗(西武)、平田良介(中日)、'06年に田中将大(楽天)、前田健太(広島)、坂本勇人(巨人)、'07年に中田翔(日本ハム)、唐川侑己(ロッテ)と多士済々だ。
広島を見ても、'06年には1巡は前述の前田、3巡曾澤翼(捕手)、'07年には1巡安部友裕(内野手)、3巡丸佳浩(外野手)が指名されているのである(曾澤と丸は2番目の指名)。
この高卒選手の活躍が'09年1位の今村につながっていると思う。
プロ入り後も健在だった今村の緩急。
今村は高校時代から完成度の高さが話題になっていた。最もよく言われていたのが「緩急の使い分け」。ストレートと変化球を投げ分けていたというのではない。ストレートを±7キロほどの変化をつけて投げ分けていたのである。
この大人びた投球スタイルはプロ入り後も健在で、1年目の'10年から'19年までの10年間、毎年一軍で成績を残す安定感につながっている。
この間、425試合に登板し、21勝30敗36セーブ114ホールド、防御率3.38はもちろん成功選手と言っていい成績だ。