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大野雄大、大島洋平のタイトル獲得。
舞い降りた「運」も実力のうち――。

posted2019/10/10 19:00

 
大野雄大、大島洋平のタイトル獲得。舞い降りた「運」も実力のうち――。<Number Web> photograph by Kyodo News

9月30日阪神戦、最優秀防御率のタイトルを確定させた大野雄大は4回途中で降板した。

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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Kyodo News

 あなたは2018年度のセ・リーグの最優秀防御率と最多安打のタイトルを、誰が獲得したかを答えられるだろうか。

 正解は防御率が巨人の菅野智之で、最多安打は中日のダヤン・ビシエドである。即答できなかったとしても、野球好きならゆっくり考えれば思い当たることだろう。

 ところが「2番目は誰ですか?」となると、難易度がさらに増す。こちらの正解はDeNAの東克樹と同・宮崎敏郎である。

「2番じゃだめなんですか?」だめではない。立派な成績である。

 ただ、残念なことにすぐに忘れられる。1番も忘れられはするが、歴代タイトルホルダーとしてその名が残る。1番と、詳しく調べなければわからない2番では大きな隔たりがあるというのは動かしがたい事実である。

 今シーズンはこの両部門のタイトルを、大野雄大と大島洋平の中日勢が、それぞれ初めて獲得した。ちなみに次点は広島のクリス・ジョンソンと巨人の坂本勇人。その差は防御率が0.01、安打は1本差とどちらもまれにみる激戦であった。

雨天中止となった広島戦。

「チームメートみんながつくってくれたチャンスですから。自分だけの力ではできなかったし、本当に感謝しかないですね」と大野は破顔した。

 タイトルが確定したのは9月30日の阪神戦(甲子園)。4回1死まで無失点ならば、すでに全日程を終えていたジョンソンを抜くという条件だった。それを見事にクリアしてタイトルをつかみ取ったのだが、大野本人にとっても1週間前までは夢にも思わなかったことだった。

 まず第一の幸運は登板予定の9月22日の広島戦が雨天中止となったこと。大野自身は翌23日にスライド先発したのだが、この中止が重要な意味を持つ。

【次ページ】 「運」を生かしたのは大野の実力。

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