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ヤングライオン達の日米逆転現象。
新日本プロレス道場、国境越えの産物。
posted2019/09/19 11:30
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
新日本プロレスは現在「ヤングライオン杯争奪リーグ戦」を開催中だ(最終戦は9月22日、神戸ワールド記念ホール)。ヤングライオン杯は1985年に第1回大会(優勝は小杉俊二)が開催されたが、2000年代は長いブランクもあって、毎年行われてきたわけではない。今回で12回目だ。
歴代優勝者には山田恵一、蝶野正洋、山本広吉(天山)、小島聡、中西学らが名前を連ねている。若いレスラーたちがきっかけをつかむためにガムシャラに戦ってきた。ガムシャラさは変わらない。だが、今年、色合いが違う。
今回のエントリーは8人。新日本プロレスから海野翔太、成田蓮、辻陽太、上村優也の4選手。ロサンゼルスの新日本プロレスLA道場からカール・フレドリックス、クラーク・コナーズ、アレックス・コグリン。そして、バッドラック・ファレがニュージランドで主宰する道場からマイケル・リチャーズが参戦している。
人数的なバランスは崩れているが、ある意味では道場対抗戦という感じもする。でも、もちろんリーグ戦だから個々の意地を張った戦いだ。
柴田勝頼が鍛えた愛弟子たち。
会場で「LA道場の連中は違うな」という声を聴いた。
そのLA道場を任されている柴田勝頼は会場の隅からリング上の戦いを黙って見つめている。
柴田は「彼らには基本的なことしか教えていない」と言うが、1年間、情熱を持って彼らと対峙してきた。
柴田は文化も習慣も違うのを考慮して指導してきたつもりだったが、当然、脱落者もでた。練習の厳しさについていけずに辞めていった者もいた。そんな中で今、生き残っているのは4人だけ。そして、そのうち3人が、今回のヤングライオン杯に参戦した。