甲子園の風BACK NUMBER
甲子園で勝つには打線の力が大事。
地方大会のOPSで優勝候補を占うと?
text by
大利実Minoru Ohtoshi
photograph byKyodo News
posted2019/08/07 12:00
全出場校1位の地方大会OPSを引っさげて甲子園へやってきた八戸学院光星。初戦も9点を奪って誉を下した。
2019年の1位は八戸学院光星。
では、今年の甲子園はどうか。
2017年の花咲徳栄をボーダーラインとして、上位16校をリストアップした(繰り返すが、犠飛は入っていないため、正確なOPSとは数字が異なることをご了承いただきたい)。
<2019年夏 OPS上位校>
1位 八戸学院光星 出塁率0.545 長打率0.844 OPS1.389
2位 智弁学園 出塁率0.525 長打率0.723 OPS1.248
3位 東海大相模 出塁率0.483 長打率0.728 OPS1.211
4位 中京学院中京 出塁率0.524 長打率0.619 OPS1.143
5位 花咲徳栄 出塁率0.533 長打率0.594 OPS1.127
6位 鶴岡東 出塁率0.512 長打率0.605 OPS1.117
7位 山梨学院 出塁率0.463 長打率0.612 OPS1.075
8位 智弁和歌山 出塁率0.468 長打率0.591 OPS1.059
9位 日本文理 出塁率0.486 長打率0.571 OPS1.057
10位 履正社 出塁率0.425 長打率0.628 OPS1.053
11位 関東一 出塁率0.478 長打率0.559 OPS1.037
12位 星稜 出塁率0.410 長打率0.618 OPS1.028
13位 石見智翠館 出塁率0.450 長打率0.553 OPS1.003
14位 作新学院 出塁率0.465 長打率0.532 OPS0.997
15位 仙台育英 出塁率0.477 長打率0.503 OPS0.980
16位 立命館宇治 出塁率0.455 長打率0.511 OPS0.966
1位は、8月6日の開幕戦を9-0で快勝した八戸学院光星。地方大会6試合で15本塁打を放ち、長打率.844と恐ろしい数字をマークした。地方大会のレベルを考えたとしても、ここまでの長打率はなかなか記録できるものではない。
楽しみなのが、次の2回戦だ。相手は、OPS2位の智弁学園。奈良大会5試合で12本塁打。3回戦の奈良大附戦は4回表まで7点ビハインドの劣勢も、強打でひっくり返した。ただ、投手陣の与四死球が多いのが気になるところではある。
優勝候補たちもしっかりランクイン。
3位は春の関東王者・東海大相模。2回戦となる初戦では、春の近畿王者であり、林優樹と有馬諒のバッテリーを擁する近江との対戦が決まった。屈指の好カードとして注目が集まる(なお、近江のOPSは21位)。
優勝候補に挙がる智弁和歌山や星稜、履正社もしっかりとランクインしている。エース不後祐将の存在が大きい中京学院中京は、OPS4位と投打のバランスもいい。
そのほか、前評判はそこまで高くないが、強打が武器の鶴岡東や、安定感のある投手陣を擁する日本文理などが旋風を巻き起こす力を持っている。