ファイターズ広報、記す。BACK NUMBER
日本ハム選手、札幌ドームの聖域。
ロッカールームはどうなっている?
posted2019/08/06 11:30
text by
高山通史Michifumi Takayama
photograph by
Kyodo News
クロスワードパズルのように「33」のマスを、思いを乗せて埋め込んでいく。そこから生まれるチームの和を想像し、空間を描いている。一見すれば、何の意味も持たないような配列にチームを調和させるスパイスが隠されている。
北海道日本ハムファイターズをはじめ他11球団も、同じだろう。ホームゲームでは1日の大半を球場内で過ごす。午後6時開始のナイターのケースでは、早い選手は午前11時前に球場入りする。
遅い選手は、球場を後にするのが深夜0時を回ることもある。選手個々のルーティンによって滞在時間の長短はあるが、早出の練習、試合後のケアなど、ゲームを含めて約半日を札幌ドーム内で「生活」をしている計算になる。
2つのロッカールームが存在する。
選手たちの聖域であり、また球場内で唯一といっていいプライベート空間がロッカールームである。チーム関係者以外の目に触れることがないエリアのマネジメントには、さまざまなエッセンスがちりばめられている。
ファイターズには2つのロッカールームがある。通称「Aロッカー」と「Bロッカー」と呼ばれている。「Aロッカー」はメジャーリーグのクラブハウスをモデルにしつらえてあり、豪華である。札幌ドームが管理している「Bロッカー」は通常時はスタッフが使用し、シンプルな仕立てである。
選手が使用する「Aロッカー」は33区画=33人を収容できる。うち1区画は、外国人選手対応の通訳に割り当てられるため、最大32選手がそれぞれのロッカーを有している。すべて壁面に沿って配置されており、真ん中のスペースにはくつろぐためのソファーがある。
この33区画を最適にアレンジしているのが、担当するマネジャーである。ロッカーのサイズはすべて同じ。そのため配置に、細心の心遣いを施す。大まかにはエリアは投手と野手に二分され、そこから選手のステータス、個々の関係性にまで思いを巡らすのである。