ファイターズ広報、記す。BACK NUMBER
日本ハム選手、札幌ドームの聖域。
ロッカールームはどうなっている?
text by
高山通史Michifumi Takayama
photograph byKyodo News
posted2019/08/06 11:30
8月4日のソフトバンク戦では4-3で勝利し3連戦3連敗を阻止。優勝戦線に踏みとどまった。
4つ並びのエリアは主力選手に。
広報から見ても、使い勝手が良さそうでベストと思われる4つ並びのエリアがある。
ロッカー周りのスペースが、ほかよりも広大。ファームの中継やメジャーリーグ、アマチュア野球などに常時、チャンネルが合わせてあるテレビの画面とも正対している。その4区画は、ファームへ降格する可能性が極めて低い主力選手へと振り分けているのだという。
ほか29区画は、さまざまな観点から振り分けられる。
その1つが、個々の選手間の親密さである。担当マネジャーは日ごろから感じている関係性を考慮して、よく食事に行っているような間柄であったりすればロッカーを隣同士にするなどしている。
外国人選手は固まって同じエリアにし、日本人選手らとのコミュニケーションの架け橋になる通訳も、その近くに配備する。
また若手選手とは違って比較的、静かに試合以外の時間を過ごす中堅やベテラン選手は、良い意味でパーティション代わりになっている柱の裏側など、それぞれが快適に過ごすための配慮がなされているのだそうだ。
ロッカーの雰囲気で状態がわかる。
勝負の世界に生きる選手個々のリクエストも、時に反映されている。大きな故障をした、または大スランプに陥った時に使用していたロッカーは避けたい、との申し入れをされることもあるという。
そのゲン担ぎ、厄落としのような要請を反映させ、配置を微調整することもある。そこに、選手に勇躍してほしいとの思いも込める。
ちなみに広報が業務のために待機している諸室は「Aロッカー」と通路を挟んで位置している。
選手同士で、じゃれ合っていたりする声が「Aロッカー」から響いてくる時は、やはりチーム状況は良好である。少し空気が沈んでいると感じる時は、ややチームとしても苦しんでいる場合が多い。ロッカーから醸し出されるムードが、チーム状態のバロメーターである。