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斎藤佑樹が語った佐々木朗希。
「大事なのは球数よりも登板間隔」
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byAsami Enomoto
posted2019/07/27 11:45
佐々木は7月21日の4回戦で194球を投げ、中2日の準決勝で129球。連投となる決勝は登板しなかった。
怪我のリスクを可視化できるデバイス。
「最後の夏、決勝の再試合まで経験して感じたのは“球数制限”も一理あるかもしれないけれど、“登板間隔を空ける”方が大事だということ。高校球児の肩肘の怪我の防止に関しては、“とにかく回復させる”ことが重要だと感じます」
2006年の夏に大きな怪我をしなかったのは、まだ10代で身体が柔らかく、大きな筋肉を使うことができていたから。それが年齢を重ねるごとに体は硬くなり、小さな筋肉を使っていく傾向になるため、それが肩肘の怪我に繋がっていくと斎藤は教えてくれました。
斎藤佑樹も30代に入り、プロの世界でも中堅の域に達しました。
斎藤は今年に入ってから「Motus BASEBALL」という、肘のストレスを数値化して怪我のリスクを可視化できる、最新鋭のデバイスを自ら取り入れました。トレーニング時に使用し、高校時代から酷使してきた肘などを入念にチェックしています。その他にも、サイズと重さの違う何種類ものボールを使い、自らの肩肘と相談するようにトレーニングを続けてきました。
高校球児の身体の酷使に関して、議論を重ねてもすぐに答えが出ることは決してないと思います。
けれど、斎藤佑樹のように、甲子園のマウンドで多くのことを感じながら投球を重ねてきた選手たちの意見を、ひとつでも多く聞いていきたいと思う、101回目の夏です。