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佐々木朗希の登板回避が示すこと。
球数制限と日程変更は絶対に必要。

posted2019/07/26 16:30

 
佐々木朗希の登板回避が示すこと。球数制限と日程変更は絶対に必要。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

準決勝では完封勝利を挙げた佐々木朗希。その翌日が決勝でなければ……。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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Asami Enomoto

 岩手大会決勝戦。今夏の注目の投手の1人、大船渡・佐々木朗希投手はベンチスタートで最後まで出場もなく、チームは2対12で花巻東に敗れた。

 登板回避はこの日の朝に国保陽平監督が決断したという。

「投げられる状態ではあったかもしれませんが、私が判断しました。理由としては故障を防ぐため。(決断の理由は)球数、登板間隔、気温です。今日は暑いですし、(回避に)特に悩みはなかったです」

 監督の決断を聞いた佐々木は笑顔で「分かりました」と答えたという。

 同監督の説明によると、この日の佐々木の状態は張りがあったようだが、特に身体に痛みがあったわけではなかった。しかし7月21日の盛岡四戦で延長12回完投で194球を投げ、前日の一関工との準決勝でも再び129球を投げている。すでに4日間で323球を投げ、決勝のマウンドに立てばもちろん連投だ。

 本人の肉体的なダメージや、この日の30度を超える天候など周辺状況も考慮しての決断だった。

監督は細心の注意を払っていた。

 春の日本代表合宿で163kmをマーク。一躍、今年の高校野球の主役に躍り出た佐々木が決勝のマウンドに立たずに敗退したことは、今後も大きな論議となるのかもしれない。

 もちろん佐々木自身にとっても、甲子園出場は目標だった。その目標を達成できなかった悔しさ、納得はしていてもマウンドに上がれない無念は大きなものであったはずだ。また「(登板回避に)特に悩みはなかった」と語った国保監督にとっても、ここまでには様々な苦悩の決断があったはずである。

 国保監督は筑波大出身で、最新のトレーニング知識もあり、自身が米独立リーグでプレーするなどの経験もある。その経験も含めて選手の故障リスク回避のために、技術面や起用面で細心の注意を払っていることが窺える監督である。

 だからこそまず、今夏の予選で驚いたのが、盛岡四戦で佐々木に194球も投げさせたことだった。

【次ページ】 「194球」には葛藤があったはず。

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