オリンピックへの道BACK NUMBER
“層が薄い日本男子”に期待の19歳。
フィギュアGP山本草太への期待感。
posted2019/07/05 11:30
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
フィギュアスケートの国際大会「グランプリシリーズ(GP)」のエントリーが発表された。グランプリシリーズとは、世界各地6会場で行われる毎シーズン恒例の大会で、6大会の成績上位の選手たちによってグランプリファイナルが競われる。
日本勢を見ると、男子は羽生結弦がスケートカナダとNHK杯、宇野昌磨がフランス杯とロシア杯。また田中刑事、友野一希ら、計6名が2大会ないしは1大会に参戦する。
女子は、男子同様に2大会ないしは1大会、それぞれに異なるが紀平梨花、坂本花織、宮原知子ら9選手がエントリー。昨年の全日本ジュニア選手権で優勝を果たし、今年からシニアに参戦する横井ゆは菜はGPデビューとなる。
4回転を武器にするロシアの有望株たち。
全体を見渡して、まず目につくのは、女子のロシア勢だ。国別で最大枠となる18枠目一杯のエントリー。アリーナ・ザギトワ、エフゲニア・メドベデワ、エリザベータ・トゥクタミシェワらは健在だ。
何よりも注目を集めるのは、ジュニアのカテゴリーで結果を残してきた有望株のアレクサンドラ・トゥルソワ、アンナ・シェルバコワ、アリョーナ・コストルナヤがそろってシニアにエントリーすることだ。
トゥルソワは昨シーズンの世界ジュニア選手権を制した。シェルバコワはロシア選手権でザギトワらを破って優勝し、世界ジュニア選手権では銀メダルを獲得。コストルナヤはジュニアGPファイナルで優勝している。
成績もさることながら、特にトゥルソワとシェルバコワは、ともに4回転ルッツを跳ぶなど、若くしてすでに4回転ジャンプを武器にしている点が、関心を呼ぶ理由だ。
坂本花織は「来年は、ロシアの子達が上がってくるから」と言葉にしていた。もちろん坂本に限らず、すべての選手が、彼女たちがシニアに上がってくることを早くから意識してきた。
ロシアの3人は重複することなく、きれいに6大会に分かれて出場する。日本の選手たちもすべての大会に出ているから、必ず、同じ大会で競い合うことになる。どのような試合になるのかが、注目されるポイントの1つだ。