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本拠地をフロリダとカナダで分割?
レイズの仰天案が意外とアリな理由。 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2019/07/03 11:40

本拠地をフロリダとカナダで分割?レイズの仰天案が意外とアリな理由。<Number Web> photograph by AFLO

動員に苦しむタンパベイ・レイズ。モントリオールとの“ダブル本拠地”案は本当に実現するのか。

プラス面を考えると未来がある。

 どんな懸案事項もマイナス面を考えればキリがないのと同じで、プラス面を考えれば果てしない未来が広がっているものだ。

 たとえば、タンパとモントリオールを本拠地とするチームを「ノースアメリカン・ユナイテッド(連合)」という名前になったと仮定する。

 当然、レイズが前身球団なのでア・リーグ東地区に組み込まれる。

 ヤンキースやレッドソックスといった人気球団がモントリオールに来れば、ニューヨークやボストンからの観光客も増えるし、かなりの観客動員数を見込める。

 公式戦におけるタンパでの観客動員数が劇的に変わるとは思えないが、北国モントリオールからタンパベイはもちろん、キャンプ地(現在はフロリダ州ポート・シャーロット)を訪れる野球ファンが増えるのは間違いない。

プレーオフ分割開催もあり得る?

 もしも「ユナイテッド」がヤンキースやレッドソックスを打ち破ってア・リーグ東地区で勝てば、試合の性格上、自然と観客動員数が上がるプレーオフをモントリオールだけではなく、気候が穏やかになっている秋ならばタンパベイで開催するのも十分に可能だ。

 選手たちやその家族が大変なので、選手組合の承認を得るのは簡単ではないだろうが、ワールドシリーズを含むプレーオフの2都市間の分割開催も可能ではないか。

 新生「ユナイテッド」の選手たちならば、前身のレイズとエクスポズの球団史に敬意を払って復刻ユニフォームを着てプレーするプロモーションを行える。

 またそれぞれの都市に存在した二グロリーグやマイナーリーグ時代の復刻ユニフォームを着てプレーし、それぞれの都市の歴史そのものに敬意を表する日もやってくるだろう。

 同じア・リーグ東地区のブルージェイズとの対決は、モントリオールが本拠地になる夏以降に集中させれば「カナディアン・ダービーマッチ」とでも言うべき人気カードになるし、エクスポズが昔、所属していたナ・リーグ東地区の各球団との交流戦では、1994年のストライキのお陰で「幻の初優勝」になった当時のメンバーに敬意を表するプロモーションなどもできる。

【次ページ】 現状維持は事実上の後退という考え。

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