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本拠地をフロリダとカナダで分割?
レイズの仰天案が意外とアリな理由。
posted2019/07/03 11:40
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
AFLO
その手があったか、でも――。
6月20日、米メディアで「タンパベイ・レイズが(カナダの)モントリオールとの本拠地の分割案を模索中」というニュースが流れた。
簡単に説明すると、こういうことだ。
レイズは1試合平均2万人以下しか観客を動員できないシーズンが続いており、チケット収入もスポンサー収入も他球団に比べると少ない。そのため経営状態が芳しくなく、本拠地存続の危機にある。
それを救うためにはセント・ピーターズバーグの現本拠地球場を捨てて、より人口の多いタンパベイに新球場を建てること、それも夏の猛暑を避けるために開閉式ドームを建設することだった。
ただし、高額な建設資金の捻出=地元民の承認を得ることに難航しており、計画が何度となく暗礁に乗り上げており、今後も実現の可能性が低い。
ならばNFLやNBAのように「本拠地を移転すればいいじゃないか」となるが、ロブ・マンフレッドMLBコミッショナーは新都市に本拠地を増やすことを念頭に置きながらも、「まずは現在の本拠地を救済する=新球場を持つことを優先する」と公言した。
モントリオールとの本拠地分割案。
他の都市に本拠地移転するのはあくまでも最終手段であり、新しい都市での本拠地の誕生はかねてから噂されている「球団数の拡張(30から32)」の実現を待つ方針だ。
ただ今すぐ何とかしたいタンパベイは、新たな試案をMLBに提出。それが「球団数の拡張」がニュースになった際、オレゴン州ポートランドやネバダ州ラスベガスなどと共に「有力候補」として噂されたカナダのモントリオールとの「本拠地分割案」だった。
モントリオールにはかつて、「カナダ最初のメジャーリーグ・チーム」であるエクスポズが存在し、殿堂入り選手のペドロ・マルティネス投手やウラディミール・ゲレーロ外野手らを輩出。日本人の大家友和(現横浜DeNA二軍投手コーチ)、吉井理人(現千葉ロッテ投手コーチ)、故・伊良部秀輝氏らもプレーしたことがある。