メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
本拠地をフロリダとカナダで分割?
レイズの仰天案が意外とアリな理由。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2019/07/03 11:40
動員に苦しむタンパベイ・レイズ。モントリオールとの“ダブル本拠地”案は本当に実現するのか。
現状維持は事実上の後退という考え。
そもそも、チーム名が新しくなることで自然とグッズ収入は上がるし、2都市を本拠地とすることでその市場範囲もかなり拡大できる。
そう、タンパベイとモントリオールの本拠地分割案が実現すれば、メジャーリーグどころか、北米プロスポーツ史上もっとも広範な地域を保護地域とする特異な球団として人気を博するかも知れない――。
「本拠地分割案なんてナンセンスであり、考えるだけ無駄なこと」
今はまだ、そんな風に思う人の方が多いかも知れないが、タンパベイの本拠地を救済し、モントリオールにメジャーリーグを復活させること自体を「無駄」だと考える人は少ない。
それはメジャーリーグがこの30年足らずの間に26球団が30球団となり、さらに32球団まで増やしたいと考えることと同じで、アメリカのメジャーリーグが「現状維持は事実上の後退」というある種の危機感を持っていることの表れだ。
「考える労力を惜しむと、前に進むことを止めてしまうことになる」と言ったのはイチローだが、とどのつまりは、そういうことなのだと思う。