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Jリーグ広報が向き合うSNS新時代。
槙野智章は専属カメラマンも雇う!? 

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吉田国夫(Jリーグ広報部)

吉田国夫(Jリーグ広報部)Kunio Yoshida

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photograph byJ.LEAGUE

posted2019/06/29 17:00

Jリーグ広報が向き合うSNS新時代。槙野智章は専属カメラマンも雇う!?<Number Web> photograph by J.LEAGUE

恩師ミシャ、チャナティップと肩を組む槙野智章(右)。SNSを積極的に使い、Jリーグの知名度アップに貢献している。

選手から社員、ファンまでもが発信者。

 ソーシャルメディアの進化・発展により、スポーツ広報の仕事は劇的に変化した。それまでの広報の仕事といえば、いわゆるトラディショナルメディアといわれる4媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)に向けて、忠実かつ丁寧に対応することがベーシックであり、それにインターネットという新しい分野が現れたものの、仕事のあり方までを変化させる存在には至らなかった。

 あくまでも各チームの広報自らが主体となって情報をコントロールするというスタイルに変化はなく、あえていえば「発信」の業務に加えて「編集」という作業が追加されたに過ぎなかったのだが、ソーシャルメディアの登場によりそもそもの概念自体が劇的に変化してしまった。

 劇的な変化の最大の要因は「発信者が不特定多数になった」ことである。それは選手、監督、コーチのみならず、社長や社員そしてファンまでもが発信者になる「一億総発信者時代」を意味している。

 前述したイニエスタ選手のInstagramのフォロワー数は、約3000万(以下、すべて6月28日13時現在)。一方で、所属するヴィッセル神戸のフォロワー数は14.3万。クラブが自らの情報をより多くに伝えるためには何をしなければならないかは自明だ。

槙野は専属カメラマン、那須はYouTuberに。

 当然、選手たちのソーシャルメディアへの向き合い方も劇的に変化している。それまでの発信ツールは、ブログという設定や投稿のハードルがやや高いものだった。それが、ソーシャルメディア時代になると自らが積極的にアカウントを持ち比較的自由な感覚で投稿を行っている。なかでも自らのブランドアップに有効だと気がついた選手は、より積極的にソーシャルメディアと向き合い始めている。

 ヴィッセル神戸のルーカス・ポドルスキ選手や浦和レッズの槙野智章選手は自らのソーシャルメディア用に専属のカメラマンを雇い、プロフェッショナルとして「魅せる」ことを追求している。ヴィッセル神戸の那須大亮選手はYouTuber宣言をし、自らのアカウントで交流のある選手たちとの共演によるコンテンツを制作して配信している。

 北海道コンサドーレ札幌では、「タイのメッシ」と称され、昨シーズンのJリーグ・ベストイレブンも受賞したチャナティップ選手が活躍している。コンサドーレの公式Facebookページの約6万9000のフォロワーのうち、4割弱がタイからのものであり、それぞれの投稿にはタイ語によるコメントが並んでいる。ちなみにチャナティップ選手のInstagramのフォロワー数は200万。既にコンサドーレは、タイ国内で知らない者はいない存在になりつつある。

【次ページ】 「サッカーの認知度を向上させるため」(槙野)

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