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加点法で若き森保Jを評価しよう。
コパ敗退も南米相手に残した痕跡。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2019/06/25 16:00

加点法で若き森保Jを評価しよう。コパ敗退も南米相手に残した痕跡。<Number Web> photograph by Getty Images

あと1点を獲れば決勝トーナメント、ブラジル戦に挑めた。その悔しさを忘れずに、若き選手たちは研鑽に励んでほしい。

ケアレスミスから狂ったリズム。

 ウルグアイ戦に続いてリードを奪ったものの、日本の動きには鋭さが増していかない。3試合連続のスタメンが5人、2試合連続先発も5人である。コンディションが下降線にあるのは間違いなく、22分と25分には守備陣のケアレスミスから決定機を招く。

 第2戦まで起こり得なかったミスは、試合のリズムを狂わせていく。先制後は相手のゴールへ迫れず、35分に同点ゴールを喫してしまう。守備のCKの流れを断ち切れず、ゴール前へ上がったままの長身センターバックに高さを生かされ、相手の10番アンヘル・メナに押し込まれた。

 細かなミスが積み重なった前半は、1-1のままで終了する。コパ・アメリカ初勝利も準々決勝進出も、まだ輪郭を持っていない。

エクアドルも動きにキレを欠いた。

 後半開始とともに、エクアドルは4-3-3から4-4-2へシステムを変えてきた。「前半はボランチの後ろに日本の選手が3人いた。システム変更でそこが改善された」とは、エクアドルのエルナン・ダリオ・ゴメス監督である。

 その通りではある。ただ、日本と同じようにエクアドルも動きにキレを欠いていた。アタッカーのプレスバックはなく、ボールホルダーを挟み込むこともない相手の守備は、日本の攻撃を制限するものではない。センターバックやボランチが、プレッシャーを受けずにボールをさばくことができていた。

 システム変更で右サイドの攻撃を強化してきたエクアドルに対して、日本も中島に久保が絡んで攻め返す。左サイドバックの杉岡大暉も攻撃に出る。日本の左サイドにおける攻防が、勝敗のポイントとなっていく。

 右サイドを中心にラフなボールを前線へ入れてくるエクアドルの攻撃は、2人または3人の関係に限られている。前半20分過ぎに繰り返した自滅的なミスさえしなければ、失点の恐れはない。

 あとは、2点目を取り切れるか。

【次ページ】 最終盤にチャンスは続いたが。

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