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加点法で若き森保Jを評価しよう。
コパ敗退も南米相手に残した痕跡。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2019/06/25 16:00
あと1点を獲れば決勝トーナメント、ブラジル戦に挑めた。その悔しさを忘れずに、若き選手たちは研鑽に励んでほしい。
最終盤にチャンスは続いたが。
チャンスはつかんだ。85分、ペナルティエリア左から中島が放った左足シュートが、強烈な勢いのままGKの正面を突く。89分、途中出場の前田大然が久保のラストパスを受け、フィニッシュへ持ち込む。GKに弾かれたボールに、こちらも途中出場の上田綺世が反応するものの、至近距離からのシュートは大きく枠を逸れてしまった。
5分間のアディショナルタイムにもゴールに迫った。前田がスピードを生かして抜け出すが、左足のシュートはジャストミートできなかった。
94分には中島のシュートがGKに弾かれ、こぼれ球を久保がプッシュする。ついにゴールネットを揺らしたが、オフサイドで認められない。VARもノーゴールを裏付けするだけだった。
減点法ではなく加点法で評価を。
勝ち切れなかった。2点目を取り切れなかった。何度も相手ゴールへ迫っただけに、勝ちゲームを逃したとの印象は色濃い。1本でも決めていれば、コパ・アメリカ初勝利と8強入りをつかむことができた。
とはいえ、日本は疲労を引きずりながらも最終盤まで攻撃を繰り出していた。
前田や上田は今大会の開幕戦で代表デビューを飾ったばかりだ。国際Aマッチ出場経験の豊富な選手ならともかく、彼らにチームを勝利へ導く一発を決めろというのは、少しばかり酷でもある。
減点法ではなく、加点法で評価するべきだ。
2試合連続でドローに持ち込んだのだ。チリとウルグアイに比べてエクアドルの力が劣るとしても、東京五輪世代の多いチームを責めることはできない。