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フンメルス復帰、長谷部の仲間は?
オフもお祭り騒ぎのドイツ市民。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2019/06/23 12:00
マッツ・フンメルスの古巣復帰に、サポーターたちは早くも湧き上がっているようだ。
スーパーに並ぶホワイトアスパラガス。
ドイツに居ると、サッカーという競技が日常に溶け込んでいることを如実に感じます。ただ、だからといって新シーズンの開幕を待ち遠しく思っているようには感じられません。それは、なぜなのか……。
おそらく、日本人もそうだと思うのですが、ドイツの方々も旬を大事にします。いや、最近は日本よりもヨーロッパの方が歴史や文化を大切に継承しているようにも思えます。例えば、街のスーパーマーケットへ行くと季節の野菜が並んでいて、春夏秋冬そのラインナップが変わります。
ドイツで最も有名な期間限定野菜はホワイトアスパラガスの『シュパーゲル』で、春の訪れを感じさせる4月に入ってから収穫が始まり、聖ヨハネの日である6月24日に収穫が終了します。
また、ドイツの秋が旬のものには発酵途中のワイン『フェーダーヴァイサー』があり、日本語に訳すと『白い羽』と称される酵母が浮いた濁り酒を試飲できる催し物が、国内各地で開催されます。そこで「秋が来たなぁ」と思うのだとか。
サッカーはオフも含めてフェスティバル。
そしてドイツの冬の風物詩『クリスマスマーケット』は、日本でも知られる自慢の祭典です。彩り豊かな屋台が街中に溢れ、そこで飲む『グリューワイン』という温かくて甘い赤ワインは、このお祭りの名物として捉えられています。
ドイツでは季節ごとにお祭りが開催されていて、感覚的には1年中何かしらの催し物が行なわれている印象があります。そんななかサッカーという競技は、オフシーズンの楽しみも含めて通年催されているフェスティバルとして、この街の人々に認識されているのではないでしょうか。