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フンメルス復帰、長谷部の仲間は?
オフもお祭り騒ぎのドイツ市民。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2019/06/23 12:00
マッツ・フンメルスの古巣復帰に、サポーターたちは早くも湧き上がっているようだ。
マドリー移籍のヨビッチ、恩返しはやめて。
僕の住むフランクフルトの最近の話題はもちろん、エースストライカーだったルカ・ヨビッチのレアル・マドリー(スペイン)への移籍です。契約期間は2025年6月までの6年間。移籍金は約6000万ユーロ(約73億円)で、なかなかのビッグディールです。
ヨビッチは昨シーズンの公式戦で48試合出場27得点7アシストという堂々たる成績を残し、フランクフルトのヨーロッパリーグ・ベスト4進出などにも大貢献したわけなので、その評価も頷けます。
ただ、地元サポーターはヨビッチとの別れにそれほど感傷的ではない様子。あくまで僕の知人の言動からの印象ですが、ヨビッチは昨季いきなりブレイクした新星で、クラブに対して長年功績を築いたレジェンドではありません。
また、シーズン途中まではベンフィカ(ポルトガル)から期限付き移籍(シーズン終了間際の4月17日にフランクフルトが買い取りオプションを行使して正式に獲得)の身だったこともあり、サポーターは「いつかは必ず巣立つ若武者」という捉え方だったようです。
結局、彼は多額の移籍金を残してフランクフルトを去ったわけですから、フランクフルトサポーターは率直に「ルカ、ありがとう! スペインでも頑張れ! でもフランクフルトとのゲーム以外でね」という心境なのかもしれません。
ちなみに、ヨビッチは古巣や関係先に強烈な“恩返し”をするFWです。
昨季はヨーロッパリーグ準々決勝のアウェー・ベンフィカ戦でゴールを決め、セルビア代表の一員として戦った3月20日のドイツとの親善試合では先制ゴールをマークして1-1のドローに持ち込む働きを見せています。フランクフルトの皆さんは「アイントラハト(フランクフルト)とのゲームではおとなしくしてね」というのが本音で、内心は彼の“お礼参り”に戦々恐々としているのかもしれません。
強力3トップがこぞって抜ける?
フランス人FWセバスチャン・アレも、昨季の活躍から様々なクラブからのオファーが届いているようです。もし、アレがフランクフルトから移籍するようなことになったら、彼を愛する知り合いの息子さんはたぶん「泣き腫らす」とのこと。
またフランクフルトが誇る最強3トップのひとり、FWアンテ・レビッチもヨーロッパ各クラブの獲得候補としてリストアップされているとのこと。もしレビッチが移籍してしまったら、僕の近所にあるレビッチ行きつけの美容室の店主は悲しむだろうなぁ。