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久保建英、だけじゃない日本の論点。
“変則招集”を将来に繋げるために。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2019/05/28 11:00

久保建英、だけじゃない日本の論点。“変則招集”を将来に繋げるために。<Number Web> photograph by AFLO

変則的な形ではあるが、久保建英の日本代表デビューはこのタイミングでやってきた。どんな姿を見せてくれるのだろうか。

久保建英の2列目は最激戦区。

 だとすれば、今回のコパ・アメリカは9月以降も日本代表に絡める選手を見極める機会、と捉えるべきだろう。サバイバルとはそういう意味で、とりわけ久保のポジションは激戦区だ。

 2列目のポジションでは堂安律、南野拓実、中島翔哉が定位置をつかんでいる。ほぼ1年前のロシアW杯でスタメンを張った原口元気、3月から復帰してきた香川真司は、年下の3人を追いかける立場だ。2列目にはさらに、アジアカップ後のベルギー移籍で自信をつけた伊東純也もいる。

 いつものことながら、2列目はもっとも選択肢の豊富なポジションだ。久保の合流によってどのような化学反応が生まれるのかは興味深いが、KCCはこれまでのコアメンバーを中心としたチームのコンセプトやコンビネーションの確認に重点が置かれるはずだ。久保にとってのサバイバルが、コパ・アメリカになる理由である。

 2列目とは対照的に、序列のはっきりしていないポジションもある。

 GKはそのひとつだ。KCCのメンバーでは、今冬のアジアカップ後にポルティモネンセへ移籍した権田修一が、川島とともに復帰を果たしている。ただ、GKにビルドアップへの参加を求めるなら、シュミット・ダニエルが最適任者だろう。

 初代表の大迫は、KCCではなくコパ・アメリカでチャンスを与えられそうだ。グループリーグの3試合を中2日または中3日で消化し、試合ごとに移動もあるコパ・アメリカは、そもそも序列が明確でないチーム編成を考えても、選手をローテーションしていい条件が揃っている。サンフレッチェ広島で今シーズンから定位置を獲得した19歳も、ピッチに立つことになるはずだ。

長友のバックアップは誰になる?

 日本代表をめぐる論点はまだある。

 左サイドバックのバックアップは?

 長友佑都が招集されているKCCのメンバーには、佐々木翔、山中亮輔、安西幸輝らが招集されていない。槙野智章や室屋成を左サイドへまわすこともできるが、森保監督は中山を左サイドバックとして計算しているかもしれない。

 今冬の移籍市場でオランダのズヴォレへ移籍したこの22歳は、センターバックをメインに複数ポジションをこなすレフティーだ。汎用性の高さに希少な左利きであることを加味しても、日本代表での適正ポジションを確認しておきたい選手である。

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