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川島、植田、柴崎、中島、岡崎……。
彼らが東京五輪の“OA候補”な理由。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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posted2019/05/27 17:30

川島、植田、柴崎、中島、岡崎……。彼らが東京五輪の“OA候補”な理由。<Number Web> photograph by AFLO

森保ジャパン初の招集となった岡崎慎司。進行中と思われる新クラブ探しのためにも、代表で存在感を発揮したい。

彼らは東京五輪のOAの第1弾候補?

 ズバリ言うなら、オーバーエイジ(OA)の第1弾候補。それぞれポジションも違います。東京五輪世代への影響度、融合度を測る機会にしようと森保監督は考えていると踏んでいます。

 メダルの獲得が義務づけられる来年の東京五輪。OAの採用は、まず間違いないと見ていいでしょう。興味深いのは、選ばれた5人は世代が違っています。

 36歳の川島、33歳の岡崎は3大会連続でワールドカップに出場するなどキャリア十分のベテラン。ロシアワールドカップの柴崎は27歳、年齢で言えば中堅。そしてリオ五輪に出場した中島、植田は25歳を迎える年齢で、もう若手とは呼べないまでも東京五輪世代に近いと言えます。意図して別々の世代から選んだように思えてなりません。

 森保監督の相談相手となるのが、2012年のロンドン五輪でベスト4に導いた関塚隆技術委員長です。関塚委員長は当時23歳の吉田麻也と28歳の徳永悠平をオーバーエイジに呼び、まさに「融合」に成功しました。ロンドン五輪を終えてインタビューした際、関塚監督はOAについてこう語っていました。

「吉田はOAを使わなかった北京五輪の代表で、徳永はOAがいたアテネ五輪の代表。違う雰囲気を知っている2人が入った意義は大きかった。いかに初戦が大事なのか、自分の経験を伝えてチームに浸透させてくれました。初戦で勝ち点を取れなかったら、中2日じゃなかなか修正は利かないんだ、と。

 とはいえOAというのは賭けでもありましたよ。予選を戦い抜いてきたところに年長者が入ってくるわけですから。雰囲気がどうなるか、そこは不安でしたね。だけど入る側と受け入れる側、双方が互いに協力してうまくマッチしてくれました」

 戦術におけるチーム力アップは言うまでもなく、チームの雰囲気づくり、具体的には初戦で勝ち点を取れなかった場合を想定して、短時間で気持ちを切り替えるための先導役を期待していたことがうかがわれます。

【次ページ】 「オーバーシンジ」と「オーバーエイジ」。

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