サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
川島、植田、柴崎、中島、岡崎……。
彼らが東京五輪の“OA候補”な理由。
posted2019/05/27 17:30
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
AFLO
みなさん、こんにちは。
先週、サッカー日本代表のメンバーが2日続けて発表されました。1つは親善試合トリニダード・トバゴ戦(6月5日、豊田スタジアム)、エルサルバドル戦(9日、ひとめぼれスタジアム宮城)のメンバー27人、そしてもう1つがコパ・アメリカ(14日開幕、ブラジル各地)の23人です。
親善試合は森保ジャパン従来のメンバー中心で、コパ・アメリカは東京五輪世代中心の構成になります。この2つのメンバーから何が見えてくるのか、私なりの解釈を説明させていただきます。
本来ならば、1つのチームが理想です。中米勢を相手にする“前哨戦”をこなしてから、本番に向かう。日本協会の技術委員会、森保一監督は当初、そんな青写真を描いていたと思われます。
実際、3月にコロンビア、ボリビアの南米勢と親善試合を行ったのもコパ・アメリカを見据えてのもの。あくまでA代表のベストメンバーで臨むつもりだったのでしょう。
選手の拘束ができない大会。
コパ・アメリカは100年以上の歴史を誇る伝統ある大陸選手権で、今回日本はカタールとともに招待を受けました。1999年以来、20年ぶりの参加になります。
グループリーグはチリ、ウルグアイ、エクアドルと難敵ぞろいで、強化においてはまたとない機会。ベストメンバーで戦いたいと指揮官が思うのは当然だと思います。
しかしAFC(アジアサッカー連盟)主催の大会ではないために、選手の拘束力が働かず、協力が得られないという現実に直面します。それも思った以上に。
こうなるとセカンドプランを発動しなければなりませんが、Jリーグはリーグ戦の真っただ中でU-20ワールドカップやトゥーロン国際も開催されます。つまり「準ベストメンバー」で年齢関係なく国内組の主力の招集をお願いするとなると、Jクラブの負担がより増すために難しいと判断したのではないでしょうか。
そこでクラブの協力を得られた海外組と東京五輪世代をドッキングさせたチームで臨む決断を下したと筆者は受け取っています。東京五輪世代であればトゥーロン国際もあるため、元々Jリーグのクラブも招集を想定していたはずですから。