サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
川島、植田、柴崎、中島、岡崎……。
彼らが東京五輪の“OA候補”な理由。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byAFLO
posted2019/05/27 17:30
森保ジャパン初の招集となった岡崎慎司。進行中と思われる新クラブ探しのためにも、代表で存在感を発揮したい。
東京五輪も、実は選手の拘束力がない。
メンバーを見てみると国内外ともに各クラブ1名ずつの招集になるなど、調整に苦労した跡はうかがわれます。コパ・アメリカへの参加は急に決まったわけではなく、時間はあったはずです。バタバタ感が否めなかったのは残念と言わざるを得ません。
来年の東京五輪も、選手に対する拘束力が働きません。今回の苦い経験をぜひ教訓としてほしいと思います。
こうなると、コパ・アメリカのメンバーで親善試合を戦えばいいじゃないかという声もあると思います。確かに同じメンバーで臨んだほうがいいに決まっています。
しかし9月にスタートするカタールワールドカップのアジア予選に向けて準備しなければならないため、2チームに分ける必要がありました。ベストメンバーで一度集まっておかないと、アジア予選の初戦は3月以来、半年ぶりになってしまいます。
ハリルジャパンでも初戦に苦しんだように、半年空ける冒険はなかなかできないでしょう。2チームをつくる判断は致し方ないと思います。
重複する9人のメンバーが気になる。
とはいえ、まったくの別チームにしていないのがミソです。重複するメンバーは9人います。親善試合はいつも23人の招集だったのを、今回27人に拡大しているのはコパ・アメリカに向けた強化を兼ねたいとする指揮官の意向があったからだと考えます。
両方のリストに名前を連ねているのは川島永嗣、☆大迫敬介、植田直通、☆冨安健洋、柴崎岳、中島翔哉、☆中山雄太、☆久保建英、岡崎慎司の9人(☆は東京五輪世代)。
A代表に定着している冨安は別として、東京五輪世代から呼ばれた大迫、中山、久保は9月のアジア予選に向けたテストに入っているわけですから、コパ組よりも現時点で優先順位が高いと言えます。
しかしながら筆者が注目したのは東京五輪世代の4人ではなく、川島、植田、柴崎、中島、岡崎のほうです。彼らは単に所属クラブから協力を得られたという理由だけで、メンバーに名を連ねたわけではないはずです。