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箱根の未来は1年生のタイムでわかる。
今年の3位は青学、1位&2位は……。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byYuki Suenaga
posted2019/05/25 17:30
これまでのデータで振り返ると、2020年箱根駅伝は東洋大、青学大、駒大が上位に?
近年と異なる、驚きの変化とは。
さて、2019年のランキングはどうなっているだろうか?
ここ数年とは、まったく違った結果が出たので驚いている。
<2019年入学>
1 日大 14:05.26
2 東京国際大 14:08.54
3 青学大 14:09.41
4 東海大 14:10.83
5 明大 14:12.34
6 駒大 14:12.81
7 東洋大 14:14.65
8 中大 14:15.32
9 順大 14:15.37
10 早大 14:15.62
11 法大 14:17.24
12 拓大 14:22.84
13 山梨学院大 14:23.80
14 中央学院大 14:26.37
15 日体大 14:29.05
16 神奈川大 14:29.42
17 國學院大 14:29.49
18 大東大 14:31.70
19 帝京大 14:32.69
20 城西大 14:33.11
※タイムは2019年4月21日までのもの。東京国際大には留学生が2人いるが、駅伝の大会規定同様、留学生は上位1人のタイムを採用。
留学生が目立つ中、土台を築く日大。
今年の場合、まず指摘しておきたいのは「留学生インパクト」だ。トップの日大、2位の東京国際大には13分台のタイムを持つ留学生が入学、強烈にタイムを押し上げている。
日大のドゥング(札幌山の手)、東京国際大のビンセント(ケニア出身)、ムセンビ(仙台育英)らはエース区間への起用が予想され、早々にインパクトを与えるだろう。
現状、留学生を求める大学は、シード権獲得を目指している学校に限られる。
往路のエース区間で区間賞争いが出来る人材は、どうしても上位校へ進学してしまうので、大砲を補うべく留学生をリクルートする。
ちょうど今年はワンブィ(日大)、モグス(東京国際大)、ニャイロ(山梨学院大)らの各大学の中心選手が卒業したこともあり、留学生インパクトが目立つ形になっている。
ただし、日大は14分08秒台の記録を持ち、駅伝に強い八木志樹(倉敷)をリクルートしており、ようやく名門復活への土台を築きつつあるという印象だ。近年、トラックの結果がロードに結びついていないが、ひとりでも駅伝向きの選手が入学すると、部のカルチャーに変化を与えることがある。武者由幸監督の腕の見せどころだろう。