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箱根の未来は1年生のタイムでわかる。
今年の3位は青学、1位&2位は……。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byYuki Suenaga
posted2019/05/25 17:30
これまでのデータで振り返ると、2020年箱根駅伝は東洋大、青学大、駒大が上位に?
伝統校の悩み、育成に注力する帝京大。
また明大、中大、早大に共通していえるのは、昨今、東京の私立大学は文部科学省からのプレッシャーもあり、入学定員を遵守することが求められている。その結果、難易度がアップしたために、一般入試で合格し、入部してくる選手は減少傾向にある。
一般入試で入ってきた部員がカルチャー醸成を担っていた部分もあるため、昨今の私立大学入試事情は、名門校には逆風になっている。
また、興味深いのが帝京大だ。
なんと、リクルーティング・ランキング19位。通常であれば、シード権獲得には厳しい人材獲得状況といわざるをえない。しかし、「育成の帝京大」との看板が定着したように、中野孝行監督は丹念に選手を育て、上級生になったところで貴重な戦力へと変身させているだろうと予測する。
今年に限っていえば、新入生が3年生を迎える2022年の箱根駅伝の本命は……と言い切ることはなかなかむずかしい。
全体を見渡すと、スーパーな選手は少ないという印象だが、戦力が分散し、指導陣の育成力が問われる学年になるだろう。