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バド女子ダブルスの熾烈な五輪争い。
藤井瑞希が解説する日本勢の強さ。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2019/05/01 09:00
福島由紀(前)と廣田彩花の世界1位のフクヒロペアですら五輪が安泰ではないほど日本代表争いはハイレベルだ。
ポイント大会では日本人同士の対決も。
世界ランキングに反映される獲得ポイントは、大会のグレードと順位によって変わってくる。グレード1の世界選手権で優勝すれば13000ポイントが、スーパー1000の優勝で12000ポイントが、スーパー750の優勝で11000ポイントが、スーパー500の優勝で9200ポイントが加算される。
一方で、グレード2の中でもっともポイントの低いスーパー100の優勝で得る5500ポイントは、スーパー750のベスト8の6050ポイントよりも少ない。
グレードの高い大会には、日本A代表と日本B代表に選ばれているペアが基本的にエントリーされる。また、ランキングは獲得ポイントの高い上位10大会分の合計なので、できる限り多くの試合に出てポイントを稼ぐという戦略は成り立たない。
20もの大会にでるので、信頼関係が重要。
どの大会に出場するのかはもちろん、それぞれの大会でどれぐらいの順位を狙っていくのかが、レースの行方に影響を及ぼしていく。
「私と垣岩のペアは、東南アジアでの大会が得意でなかったんです。体育館の中の空調が強くて、シャトルのコントロールがすごく難しかったので。すべての大会で優勝を狙うのはメンタル的にも体力的にもキツいので、東南アジアでの大会はベスト8ぐらいでもいい、その代わりに空調の影響がない冬のヨーロッパの大会ではベスト4以上をキッチリ狙う、という戦略にしました。
1年間のレースで20大会ぐらいに出場しますが、私たちは気持ちの切り替えが大事だと考えていました。負けたことを引きずるのが一番堪えるので、ショックの度合いが大きくない選手たちほど上位のランキングに行けると思います。
そのためにも、パートナーとの信頼関係をしっかりと築いていきました。負けたあともつねに前向きな姿勢で、『今回はしかたないね。次はどうしよう』と話し合っていきました」