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バド女子ダブルスの熾烈な五輪争い。
藤井瑞希が解説する日本勢の強さ。
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戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2019/05/01 09:00
![バド女子ダブルスの熾烈な五輪争い。藤井瑞希が解説する日本勢の強さ。<Number Web> photograph by AFLO](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/8/1/700/img_8130de97037441c96fc261f8c2c78e5e150524.jpg)
福島由紀(前)と廣田彩花の世界1位のフクヒロペアですら五輪が安泰ではないほど日本代表争いはハイレベルだ。
日本の女子はフィジカルが強い?
'08年にスエマエペアがベスト4に入り、'12年にフジカキペアが銀メダルをつかみ、16年にタカマツペアが世界の頂点に立った。五輪での成功例が鮮やかにアップデートされていったことで、日本の女子ダブルス陣は世界で勝つことを現実的な目標とすることができている。「次は私たちが」というメンタリティが育まれ、ハイレベルな競争の時代を迎えているのだ。
切磋琢磨できる環境だけでなく、日本女子には眼に見える強みもある。
「日本の女子はフィジカルが強いので、めちゃくちゃ長いラリーができます。中国、韓国、インドネシア、マレーシアといったライバル国の選手たちに負けないフィジカルがあるので、長い試合時間に持っていけばほぼ勝っているイメージです。体力もあるし、根性もありますし。
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長い試合をやって日本人ペアが勝つと、次当たったときに『また長い試合になるな』という思いを他国の選手たちは抱くじゃないですか? 試合前から相手にプレッシャーをかけることができる。そこは日本ペアのいいところだと思っています」
勝負が決まるのは2020年4月。
東京五輪に出場できるペアは、来年4月30日付で発表されるランキングの上位2組である。今年の4月29日から来年4月26日までに行われる大会で獲得したポイントが、彼女たちの未来を左右する。
「前回のリオ五輪では、レースがスタートした時点で34位だったペアが最終的に9位までランキングを上げました。今回で言えば現時点で1位から3位までのペアがもちろん確率は高いですけれど、6位、12位、13位にも日本人ペアがいます。ここまでは可能性があるのでは、と言われています。
上位ペアはたくさんのポイントを持っていますが、たとえば去年優勝した大会でベスト4に終わると、ポイントが減ってしまいます。逆にいまはそこまで上位ではないペアは、勝ち続ければどんどんポイントを加算することができます」