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レフティーながら右WBで抜擢された、
セレッソ舩木翔のプロ3年目は転機。 

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小田尚史

小田尚史Hisashi Oda

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photograph byJ.LEAGUE

posted2019/03/27 07:00

レフティーながら右WBで抜擢された、セレッソ舩木翔のプロ3年目は転機。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

攻撃的なレフティーはいつの時代も希少価値を持つ。ロティーナ監督のもとで舩木翔は成長を遂げられるか。

開幕スタメンも、定位置は確保できず。

「ひと回り強くなった」プロ2年目を経て、ロティーナ監督が就任した今季。

 前述したように、舩木のモチベーションはすこぶる高い。開幕戦の先発に抜擢されたことも、向上心に拍車をかけた。

 ただし、開幕戦に続いて右ウィングバックで先発した第2節の名古屋グランパス戦では、左足を切られると、“逆足ウィングバック”としての良さを消され、攻撃でチームの流れを止めてしまった。

 すると、第3節・サンフレッチェ広島戦、第4節・浦和レッズ戦では出場機会が訪れず、右ウィングバックには本職の松田陸が起用された。そこで松田は随所に好プレーを披露。昨季の不動のレギュラーとしての力を示す形となった。

 左サイドバックのポジションを争う丸橋にしても、開幕戦ではセットプレーから先制点をお膳立て。改めてプレースキックの質の高さを示すとともに、攻撃参加など周囲との連係という点でも舩木を上回る。

左足が舩木の生命線。

 先輩2人のプレーを目の当たりにし、直視せざるを得ない現実に、舩木自身も反省を口にする。

「(松田と丸橋は)攻撃でも縦に行く力があるし、守備の間合いでも、しっかり寄せている。自分もやっていかないといけない」

 その差を埋めるべく鍛錬を重ねることを誓った。

 もっとも、足りないモノを意識し過ぎることで、プレーが縮こまって、積極性を失ってはいけない。先週、行われた公開練習での紅白戦でも、クロスを上げるべきところで後ろに戻した瞬間、イバンコーチから「クロス!」という指示が飛んだ。良さである左足のキックの精度やクロスのタイミングは、彼が生き残っていく上での生命線になる。

【次ページ】 ユース時代も逆境を跳ね除けてきた。

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