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浦和・橋岡大樹のプレーは心に響く。
槙野も認める「考えて落とし込む力」
posted2019/03/27 11:00
text by
塚越始Hajime Tsukakoshi
photograph by
Getty Images
プロ2年目を迎える浦和レッズのDF橋岡大樹はとらえどころがない。
キャラクター的には、とても誠実。一方で底抜けに明るいのか、実はシビアで真面目なのか、いずれも備えているのか……。
そしてプレー面で言えば、クラブではウイングバック、年代別代表ではセンターバックを務めており、果たしてどこがベストポジションなのか、それともどこでもこなせてしまうのか。
2018年のU-19アジア選手権では主力を担い、U-20ワールドカップでも中心選手となれば、浦和の下部組織出身の選手としては初めてとなる。それだけに、レッズサポーターから寄せられる期待も大きい。
3月の代表ウィーク、東京五輪世代にあたるU-22日本代表に、自身2度目の飛び級選出を果たした。昨年から久保建英らとともに、U-20代表とU-22代表を兼任している形だ。5月からポーランドで開催されるU-20W杯を経て、来年の東京五輪へ、そしてA代表に向かう――というステップアップが必然的に描かれる。
自身初のACLで、初の2ゴール。
しかし……2019年は、いきなり躓いた。
シーズン開幕を告げるゼロックス・スーパーカップで右ウイングバックとして先発したが、攻撃面やビルドアップでミスが目立ち、チームも0-1で敗れた。するとJリーグ開幕の仙台戦はベンチスタート、さらに2節のホーム開幕となった札幌戦はメンバー外に。ACLとの連戦だった影響もあったにせよ、昨季築いた不動のレギュラーの座は完全に剥奪された。
3月6日、自身初めてのACLとなったブリーラム・ユナイテッド戦、橋岡は先発に復帰する。ここで結果を残せなければ、あとはない。オズワルド・オリヴェイラ監督の起用法は、間違いなく橋岡の尻に火をつけた。
すると、19歳のDFはむしろその状況をチャンスと捉え、自身プロになって初の1試合2ゴールを決めて、チームの今季公式戦初勝利を手繰り寄せてみせた。