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レフティーながら右WBで抜擢された、
セレッソ舩木翔のプロ3年目は転機。
text by
小田尚史Hisashi Oda
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/03/27 07:00
攻撃的なレフティーはいつの時代も希少価値を持つ。ロティーナ監督のもとで舩木翔は成長を遂げられるか。
J3の舞台で磨いた守備。
高まる意欲とは裏腹に、U-20W杯から戻った後は、シーズンの最後までトップチームでプレーする機会は訪れなかった。C大阪U-23としてJ3でのプレーを余儀なくされた間、徹底して取り組んだのが、先の言葉の通り、自身の武器のブラッシュアップと、課題の守備力を高めること。
「トップチームで出られないのは自分に力が足りないから。日々、自分と向き合って、U-23のチームとしても結果にこだわっていきたい。U-23でしっかり戦い続けることで自分もレベルアップできるし、それがトップチームにもつながっていく」とメンタルも強く持ち、プロ1年目を終えた。
葛藤をプラスに変えたプロ2年目。
雌伏の時を過ごす中、プロ2年目の昨季も、トップチームではACLに2試合出場したのみ。絶対的なレギュラーである丸橋との差は依然として大きく、舩木の主戦場はJ3。ただ、当時の指揮官、尹晶煥は厳しくも暖かい目で舩木を見つめていた。
「頑張っているが、プロは競争の世界。本人が競争に勝つために努力することが大事。未熟な部分も見つめて、自分自身で課題を感じていければ、もっと成長していける」
トップチームでの出場数は、プロ1年目よりも減らしている。そういった数字だけを見ると後退しているようにも映るキャリアだが、J3で30試合に出場した中身は濃く、決して遠回りではなかった。
「今年はトップチームに絡めず終わって悔しかったけど、自分をイチから見直せる、いい1年になった。U-23としてハードな練習も乗り越えることができて、メンタル的にも身体的にも一回り強くなった。サッカーのところでは、今年は課題の守備に加えて、スプリントの数や質にこだわって戦っていた。練習から強度の高いスプリントや切り替えを意識した」
'18年の終盤にはこのように振り返って充実感も漂わせるなど、自身にとって"停滞"ともなりかねない状況も、取り組み方次第でプラスに変えていこうとする強い意志を感じさせた。
「今まで経験したことのないサッカーにも取り組めて、毎日が楽しい。でも、もっともっとチャレンジしていかないといけない。チームのやり方にも順応していきつつ、自分の良さを出して、試合に絡んでいきたい」