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ゴール裏転落、猫が疾走、停電。
サッカー場は珍事にあふれている。 

text by

茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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photograph byJ.LEAGUE

posted2019/03/16 11:00

ゴール裏転落、猫が疾走、停電。サッカー場は珍事にあふれている。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

清水戦で2点目を決めた後、歓喜のアンデルソン・ロペスは看板を飛び越えて……えらいことになった。

「外的要因」という項目を見ると。

 ちょっと真面目な話だが、サッカーの「競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン」の第3条に「外的要因」という項目がある。「競技者、交代要員またはチーム役員としてチームリストに記載されていない者は、外的要因とみなされる。退場を命じられた競技者も同様である」と記載されているが、これは動物やビーチボールなどもあたる。

 それがフィールド内に入った場合は「主審は、プレーを停止しなければならない」と記されている。その一方で「ただし、外的要因がプレーに干渉していなかった場合は、ただちに停止しない」ともある。つまりはレフリーの判断なのだ。

 実際、バイエルンの猫の場合は試合が中断していた。ニャイス、もといナイスジャッジである。

レフリーも難儀な仕事である。

 オーストラリア戦の鳥はともかく、ビーチボールはすぐ対処するべき! ……と主張するのは簡単だが、サッカーはなかなか流れが切れないスポーツである。目の前で起きているプレーだけでなく突然現れたビーチボールにも気を配れとなると、レフリーも難儀な仕事だなあと同情したくなる。

 なおビーチボールを投げ込んでしまった少年ファンは現地紙を通じて「ごめんなさい」と謝ったものの、数々の脅迫が届いたという。

 もちろん勝ち負けがあるのがスポーツの世界だから、まさかの事態に敗因を求めたくもなるだろう。それでもなんだかんだ言ってハプニングは後々、「そんなこともあったね」と語り草、笑い話になるものだ。

 何よりA・ロペスのようにハプニングにもめげず、結果を残す選手だっている。だからこそ珍事を笑い飛ばすくらいの余裕を持って、手に汗を握りたいものだ。

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