スポーツ百珍BACK NUMBER
ゴール裏転落、猫が疾走、停電。
サッカー場は珍事にあふれている。
posted2019/03/16 11:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
J.LEAGUE
ゴールを決めて大喜び。その後、消える。
3月9日のJ1第3節、北海道コンサドーレ札幌はミハイロ・ペトロヴィッチ監督の攻撃サッカーがものの見事にハマり、5-2で勝利した……のだが、それ以上に大きく取り上げられたのは、アンデルソン・ロペスのこの日2点目後のハプニングだった。
ゴールを決めて札幌サポーターと喜びを分かち合おうと、A・ロペスはゴール裏へと向かう。しかし広告の看板を飛び越えると、野球とサッカー兼用である札幌ドームの構造上、看板の奥には2.8mもの段差があった。
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そうとも知らずに飛んだA・ロペスはまさかの転落。数分間治療を受けることになってしまった。
幸いにも無傷だったA・ロペスはその後も2得点を挙げ、1試合4ゴールの離れ業をやってのけた。そしてこのハプニングは、今の世の中だと世界中にすぐ響き渡る。スペインやイギリスなどまで、「彼は広告ボードの奥へと消えていった」という記事を配信したほどだ。
まさかA・ロペスもこんな形で全世界に発信されるとは思ってもみなかっただろう。
白熱した試合が繰り広げられるスタジアム。設備の不備などによって、選手たちが真剣に戦う中でまさかのハプニングが起きることがある。そんなサッカー場で起きた珍事をいくつかご紹介する。
バイエルン戦で猫が圧倒的存在感。
<バイエルンのマンオブザマッチは猫>
世界にあふれているのは、どこからか動物がピッチやグラウンド内に乱入するケース。その中でもワールドクラスの珍事となったのが、ブンデスきっての名門バイエルンに現れた猫だ。
2017-18シーズン、ベシクタシュとのCL決勝トーナメント1回戦でのこと。バイエルンはファーストレグを5-0で大勝し、セカンドレグも前半でアウェーゴールを奪って1-0。勝ち抜けをほぼ確定させていた。しかし後半開始早々、レフリーが突然試合を止めた。
その理由はピッチに突然現れた猫。コーナーフラッグ付近でたたずんだかと思いきや、鋭いターンを見せつけ疾走するなど、数分間にわたって観客と選手の視線を独占した。
試合は最終的に3-1でバイエルンが勝ち抜け。大勝に気をよくしたのか、バイエルンの公式ツイッターアカウントは、マンオブザマッチ投票の選択肢4人(?)をこう選定した。
「チアゴ、バグナー、猫(ドイツ語でKatze)、ミュラー」
こんな風に書かれたら、そりゃファンは面白がって選ぶに決まっている。2万を超える投票数のうち、圧倒的な支持を受けた猫が47%の票を獲得。2位のミュラー(23%)を大きく引き離した。バイエルンの“中の人”は、レバンドフスキとツインシュートを打つ猫のコラージュまでアップロードするなど、誰よりもウキウキだった。
警備員が捕まえるのに苦労するほどの俊敏かつ奔放な動き。「ESPN」は「すべての才能を持っている。まるでメッシみたい」と茶化していた。