ファイターズ広報、記す。BACK NUMBER
顔が見えないSNSとの向き合い方。
日本ハム・広報が抱える葛藤。
text by
高山通史Michifumi Takayama
photograph byKyodo News
posted2019/03/16 10:00
2018年北海道地震後、初めて本拠地で行われた試合で勝利した日ハムナイン。
北海道地震、届いた励ましの声。
しかし、難しい。その1枚の写真に対する受け止め方は、人それぞれであるだろう。
浅はかだったかもしれない。ただ「不謹慎」などと痛烈に批判、非難されることは、想定はしていなかった。もちろん、好感を持っていただいた方々からの反応も多かったことも付記しておく。
昨年の北海道胆振東部地震に際し、東北楽天ゴールデンイーグルスのファンの方々をはじめ、同じように支えていただいた。被災後の初戦が、宮城・仙台でのイーグルス戦だった。東北の方々に励まされ、人の温かさ、思いが、さらに身に染みていた。黙祷の第一義とは、その行為を世に知らしめることではないが、少しでもファイターズ全員の思いを東北、また多くの人に届けたい――。
手前味噌であるが、純粋にシンプルな考えでの行動ではあった。
プロ野球界もSNSに注力する時代。
球団公式のSNSである。削除という措置に至った結果を見れば、広報としてリスクマネジメントできていなかった、との指摘があっても、受け入れざるを得ない。それでも私個人としては「不謹慎」でくくられ、炎上してしまうという感覚はなかった。もしかしたら少数派なのかもしれないが、SNS担当も同じような感覚でアップの手配をしてくれたそうだ。
現在、ファイターズだけではなく他球団もSNS関連に注力をしている。また選手も個人でアカウントを持ち、積極的に発信をしているケースも多い。
以前よりもインターネット環境が整い、SNS等を通じてではあるが「ダイレクト」につながることができるようになってきた。球団、選手個人に関心を抱いていただいている方々への「情報供給=サービス」が簡単にできる時代で、それにマッチした対応を各方面で行っている。
ただ「ダイレクト」な感覚もあるが、実際には距離を感じてもいる。