セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
ユーベが直面したCL敗退の危機。
ロナウドの9季連続4強もピンチ。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2019/03/07 11:30
23年ぶりの欧州制覇を期待されて、今シーズンから加入したC・ロナウドだが、A・マドリーとの1stレグでは相手の守備に封じられた。
兵器3バックは勝機を見出せるか。
アッレグリはツイッターとインスタグラムに200万人弱のフォロワーを抱えていたが、1stレグの後に個人攻撃が殺到、辟易した指揮官はアカウントを凍結する羽目になった。
彼にしてみれば、試合前日に不整脈の見つかったMFケディラが使えなくなったことで中盤のプランが狂ったのだと言いたくなるだろうが、敵地ワンダ・メトロポリターノでの不甲斐なさは否定できないだろう。
敗因として指摘されるのは、「試合運びの拙さ」、「フィジカル・コンディショニングの失敗」、「力を発揮できなかったキープレーヤーたち」、そして「メンタル・アプローチ」の4点だ。
マドリードでの苦い敗戦から4日後のボローニャ戦で、アッレグリは早くもユーベ流守備の決戦兵器ともいえる3バックを試している。
ともに故障明けから間もない状態で1戦目に臨んだ主将キエッリーニと醜態を晒したDFボヌッチは、今度こそ完調の状態で挑まなければならない。
2戦目の布陣として今のところ有力視されている3-5-2で、FWロナウドとFWマンジュキッチが先発すれば、FWディバラはサブに回る可能性が高い。D・コスタの故障復帰が間に合えば、彼も終盤での強力なオプションになるだろう。
ライバル不在がCL苦戦の原因?
フィジカルやテクニックの問題は修正できる。厄介なのは、メンタルの回復だ。
そもそも、なぜユベントスほどの強豪が試合の入り方を誤ったのか。
「ユーベはセリエAで楽に勝ちすぎている。国内にはA・マドリーに匹敵する強敵はいない。だから、欧州の真剣勝負の舞台で苦戦する」
苦言を呈したのはアタランタの名将ガスペリーニだ。アタランタは1月末のコッパ・イタリア準々決勝で4連覇中だった王者ユーベを3-0で葬った。
指導者としてアッレグリと同門であるガスペリーニは「ユベントスが国外での試合にスイッチが入りにくいのは、国内で恒常的に競い合うライバル不在が原因」と指摘する。