セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
ユーベが直面したCL敗退の危機。
ロナウドの9季連続4強もピンチ。
posted2019/03/07 11:30
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
この逆境は越えられるのか。
A・マドリーとのCLベスト16ラウンド。1stレグに臨んだユベントスは、敵地で0-2の手痛い敗戦を喫した。
逆転突破するためには、12日のホームゲームで3ゴール以上の得点差をつけて勝つか、90分でタイスコアにして延長戦に持ち込むしかない。
アトレティコはシメオネの監督就任以来、CLやEL、コパ・デル・レイいずれにあっても1戦目を先勝した後は、必ず勝ち上がってきたカップ戦巧者である。
一方、チャンピオンズカップの時代から数えて、1戦目を0-2で落とした前例を5度持つユベントスは、そこから逆転に成功したことは一度もない。
「我々が精神的ショックを受けたのは確かだ。だが、私はこの状況を楽しんでいる。0-0で引き分けていたよりよっぽど刺激的じゃないか」
指揮官アッレグリは、圧倒的劣勢の中で勝機を見出そうとしている。
怒り狂うユベンティーノ。株価も暴落。
今季こそ、と期待を抱く周囲のショックと失望は大きい。
初戦を落とした翌日、ユベントスの株価は市場で11%も下落し、1億6200万ユーロ(約200億円)相当の株価が消し飛んだ、とされる。
戦前にさんざん楽観ムードを煽っていた地元各紙は敗戦に掌を返し、右SBにカンセロではなくデシーリオを先発起用したことや後手に回った交代策などアッレグリの采配を猛批判。
醜態に怒り狂うユベンティーノたちは、直後のセリエA25節ボローニャ戦で応援をボイコットし、チームとの空気は穏やかではない。