追い込まれたユベントスは恐い。

　王者レアル・マドリー相手に1戦目で絶望的な3失点差負けをくらっても、2戦目の90分目までに3点を取り返した昨季の準々決勝のように、窮地に追い込まれたユベントスは恐ろしい集中力を見せる。悲壮感が伴ったときのユーベほど頼もしいチームはない。

　ユーベ魂とは、横綱相撲ではなく脂汗をたらしながら苦境を凌ぐゲームでこそ発揮される。

　アッレグリは、12日のアリアンツ・スタジアムに試合を見に来るだけの人間はいらない、と断った。

「スタジアム全体で相手と戦う。2戦目とのインターバルが20日間あるのは、うちにとって幸運だった。もし、2ndレグが翌週だったら我々は敗退していたろうと思うよ。我々は12日にはトップギアで臨む。必要なのはアドレナリンだ」

　トリノでの2ndレグは、ユベントスとA・マドリーの魂と魂がぶつかり合う試合になる。それだけは確実だ。