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Jクラブは数字をどう活用している?
データスタジアムが明かす奥深さ。
posted2019/03/04 07:00
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph by
Ryohei Hayashi
34本。
いきなり何の数字だと思われた方がほとんどだろう。ただ、この数字にピンときた方はかなりのJリーグ好きと言える。
この数字は、2018年のJ1第30節、川崎フロンターレ対ヴィッセル神戸戦、この年の最優秀ゴール賞に選ばれた大島僚太のシュートに至るまでのパス本数である。
簡単にデータというが、その世界は非常に奥深い。ピッチ上で起きている事象を証明することにも使えれば、その数字によって事象の見方が変わったりもするからだ。
近年、Jリーグとデータは密接な関係にある。今ではJリーグ公式サイトでシュート数やポゼッション率だけでなく、走行距離やスプリント数など多彩なデータが気軽に見られるようになった。試合中継中にも様々なデータがリアルタイムで画面に表示され、視覚的にも伝わりやすくなっている。
その詳細なデータを取り扱っているのが、2001年4月に設立され、スポーツ分野で多彩なデータ収集を手がけているデータスタジアムだ。スポーツ“分野”の幅は広く、サッカーだけでなく、野球やラグビー、バスケットボール、バレーボールや卓球など、様々な競技を扱い、その関わり方は多岐にわたる。
データ全部のソリューション。
Jリーグで言えば、選手登録情報の管理や全試合の公式記録の制作管理に加えて、詳細なデータの入力と配信を全試合実施。1試合の総データ数は約2000にも及ぶ。いわゆるファンやメディアが目にするJリーグのデータというのは、ほとんどがデータスタジアムによって作られたものなのだ。
ただ、データスタジアムが行なっている事業はこれだけではない。
「いろいろな形でデータを渡すだけでなく、それを分析するシステムを提供しています。分析、メディカル、スカウティング。全部をひっくるめたソリューション、チームを支えるような支援をしています」
こう話してくれたのはデータスタジアムの関係者の方。今回は特別に普段知ることができないデータのさらに奥深い世界を教えてくれた。