話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
三好康児はマリノスでもう不可欠。
右から崩し、すぐ奪い返す先鋒役。
posted2019/03/04 12:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE
三好康児がより一段と輝きを増している――。
相手陣地の中央エリアに座し、三好にボールが入ると前線が動き出す。今や横浜F・マリノスの攻撃の全権を握る“若大将”になりつつある。
2日、J1第2節の対戦相手となった仙台は5バック気味の布陣を敷いた。マリノスにスペースを与えず、中盤でパスを回すところで引っかけ、カウンターを狙ったのだ。
だが「人についてくるというよりも場所を守る守備」(三好)の仙台に対して、マリノスはポジションに関係なく動き回ることで相手を混乱させた。その結果、仙台は三好をはじめ、マリノスの選手を捕まえ切れなかった。前半25分に富田晋伍がマルコス・ジュニオールを倒してPKを与えたシーンでも、シンプルなワンツーに後手を踏んだ。
仲川、天野も絡む右の崩し。
この先制点で勢いがついたマリノスは前半39分に追加点を奪ったが、それは今の最大の強みになっている右サイドから生まれた。
こぼれ球を拾った右サイドの三好がそのままドリブルで内側に切れ込む。するとボックスの手前で仲川と交差した刹那、パスを出す。ボックス内で受けた仲川は間髪入れずにクロスを入れ、ファーサイドに詰めたエジガル・ジュニオが押し込んだ。
それぞれの動きが見事に噛み合った、美しいゴールだった。
右からの攻撃はこの試合、圧巻の出来だった。
シャドーの仲川輝人、インサイドハーフの三好が息の合ったコンビネーションを見せ、そこに左インサイドハーフの天野純が絡んできてチャンスを作る。左で待つエジガルやマルコスがフィニッシュする攻撃パターンが確立されており、しかも非常に破壊力があるのだ。
三好は、右サイドの攻撃に手応えを感じているという。
「常に純くん(天野)や輝さん(仲川)の動きは見ていますし、自分の動きも見てもらっています。ボールを受ける時からチャンスを作るイメージができていますし、実際(チャンスを)作れている。いい感じでやれています」