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Jクラブは数字をどう活用している?
データスタジアムが明かす奥深さ。
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byRyohei Hayashi
posted2019/03/04 07:00
フットボールアナライザーで見た2018年の最優秀ゴール賞。川崎のパスワークのエゲつなさが分かる。
データを映像ですぐチェック。
「競技サイドに対して主にやっているのが、フットボールアナライザーという分析のシステムを提供することです。これは当社で取ったデータを見ることができます。ここからデータを分析することができるし、映像を検索することもできます」
様々なコンテンツがある中で、競技団体向けに提供しているのが“フットボールアナライザー”だ。
これは試合を分析するためのソフトとして多くのクラブが採用しているもので、一つひとつのプレーがこと細かくデータ化され、そのデータが映像とリンクしてすぐにチェックできる。また試合で起こったすべてのプレーが集約され、ピッチ上でどんなことが起きたのかを確認できるという優れものだ。
ここで例として挙げたいのが、前述した大島のゴールである。ハイライト映像だけでも素晴らしいパスワークから奪ったゴールだということがわかるが、このフットボールアナライザーを利用すると、いろいろな角度からこの場面を分析することができる。
数値化しても凄い大島のゴール。
「例えば、このシーンは小林選手がボールを奪ったところからスタートしていること、どういう風に経由してゴールまでたどり着いたかがわかります。誰にパスが通り、どうボールが動いたのか。どういう流れでゴールに結びついたのかを読み解くことができます。もちろんこれだけ多いとなかなか分析するのは難しいですけど(笑)。
このゴールほどボールが動いて得点を奪えた場面はあまりないと思います。自陣でボールをつないでというのはあるけど、これだけ前の方でガンガンとパスを動かしているのは、今まで数々のデータを見てきた中でも珍しいことだと思います。それにこういう軌跡が見られるのは、このソフトの利点ですね」