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「東京マラソンでサブスリー」への道。
セルフ・コーチングで行こう!
text by
柳橋閑Kan Yanagibashi
photograph byHiroki Ban
posted2019/03/01 07:00
アマチュアランナーの多くがセルフ・コーチングで頑張っているはず。この試行錯誤が少しでも多くの人に伝われば、と。
ズラリ並んだ練習メニュー!
<練習計画>
以上のような棚卸しをもとに、課題と対策を整理してみると以下のようになる。
[課題]トップスピードがまったく足りない。だから、マラソンのペースで走るときも余裕がなく、アップアップの状態になる。
[対策]スピード練習を増やしてVO2max(運動中、呼吸によって体内に取り入れることができる酸素の最大容量)を上げる。具体的にはマラソンペースよりも速いインターバルトレーニング、レペティション、ビルドアップ走、5000mのタイムトライアル、坂ダッシュなどを積極的に行う。どんなにがんばっても、いまからスピードランナーになることはできないだろうが、たえずスピードとパワーを上げる意識を持つことが大事だ。
[課題]LT(乳酸性作業閾値。運動強度を上げていったときに急激に血中乳酸濃度が上がる領域)付近のペース、つまりマラソンで最も使うゾーンでの安定感、持久力が足りない。
[対策]これまでの練習では全力のタイムトライアルか、ゆっくりのジョグ(キロ5:40~6:10程度)、両極端のペースで走ることが多かった。LTとジョグの中間くらいのペースで走る時間を増やすことが必要。VDOTを考案したジャック・ダニエルズ博士によるペース区分でいえば、「イージーランニング」ということになる。博士の区分には以下の5段階があり、それぞれバランスよく組み合わせることが重要だという(カッコ内はとりあえず僕がターゲットとしたVDOT52.1の練習ペース)。
(1)イージーランニング(キロ4:57~5:16)
(2)マラソンペースランニング(キロ4:25)
(3)閾値ランニング(キロ4:07)
(4)インターバル(キロ3:47)
(5)レペティション(キロ3:32)
なるべくジョグを(1)に置き換え、(3)~(5)のペースでスピード練習を行い、総合力を養うために(2)で10km~30kmのペース走を行う、というイメージである。
[課題]筋持久力が足りず、レース後半にガクッと失速する。
[対策]峠走で坂道を走る時間を増やし、ハムストリングス、大臀筋を中心とした脚筋力を鍛える。さらに、いままで疎かにしがちだったスクワットを中心とした筋力トレーニング、シザースなどの動き作りのドリル、縄跳びなどのエクササイズもこつこつまじめにやる。