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<徹底レポート>
ローマン・ゴンサレスと拳を交えた男たち。
~八重樫東/高山勝成/新井田豊/松本博志~
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byAFLO
posted2017/02/06 09:00
'14年WBC世界フライ級タイトルマッチで八重樫はゴンサレスと果敢に打ち合った。
世界で一番強いといわれている男に、かつて4人の日本人が挑んで敗北を喫した。対戦した者にしか分からない王者の実力、そして攻略法を4人の証言から導き出す。
のちに4階級制覇を達成するローマン・ゴンサレスが初めて世界タイトルマッチのリングに立ったのは2008年9月のことだった。当時の戦績は20戦全勝18KO。受けて立ったのがWBA世界ミニマム級王座を7度防衛していた新井田豊である。
ゴンサレスは帝拳プロモーションと契約し、既に日本のリングで2度ファイトしていた。'07年11月の初戦で元WBA世界ミニマム級暫定王者エリベルト・ゲホンをボディブロー一発で沈めて初回KO勝ち。新井田に2度挑戦し、いずれも小差の争いを演じたゲホンをわずか69秒で料理してしまったのだから、そのインパクトは強烈だった。