Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

<黒田&新井を発掘>
苑田聡彦「チームの柱を見極めるスカウト術」 

text by

安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

PROFILE

photograph byKYODO

posted2016/10/03 09:00

<黒田&新井を発掘>苑田聡彦「チームの柱を見極めるスカウト術」<Number Web> photograph by KYODO
決して資金力には恵まれていないからこそ、独自の視点で未来の中心選手を獲得してきた。この道39年のベテランスカウトが明かす、優勝をもたらしたナインの獲得秘話。

 御年71歳の苑田聡彦のスカウト行脚が始まったのは、1978年である。

 福岡・三池工業高の長距離砲として鳴らし、広島カープでは外野手、内野手として現役生活を14年。レギュラー選手として華々しい経歴こそなかったものの、チームには欠くことのできないユーティリティープレーヤーであり、頼りになるバイプレーヤーでもあった。

 スカウトになって、最初の遠出は高校野球の春季東北大会になった。

 先輩のスカウトが連れて行ってくれるはずだったのが、間際になって旅程表の入った手紙が届き、一人で行ってくれという。

 行き先は弘前だった。

 苑田にとって、それまでの旅は東京、大阪、名古屋……行き先はいつも決まった街であり、たまに知らぬ土地へ向かう時にも必ず大勢のチームメイトが一緒だった。

「そんなこと、ぼんやり考えとったら、港のほうで連絡船の汽笛がボォーッと鳴ってね、もうそれだけでダメでしたもんね」

 今はそう言ってなつかしそうに笑う。

「大牟田と広島にしか住んだことのない人間ですから、話す言葉も九州弁と広島弁が混ざったような変な言葉でね。人ともなかなか話もできんかったですもんね……」

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
ウェブ有料会員になると続きをお読みいただけます。

広島東洋カープ
苑田聡彦
黒田博樹
新井貴浩

プロ野球の前後のコラム

ページトップ