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ラッシュフォードがマンUで覚醒中。
ミスを恐れず愛される地元っ子。
 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byUniphoto press

posted2019/02/12 11:30

ラッシュフォードがマンUで覚醒中。ミスを恐れず愛される地元っ子。<Number Web> photograph by Uniphoto press

スールシャール体制で勢いを取り戻しつつあるユナイテッド。ラッシュフォードもその1人だ。

FWの心を知るスールシャール。

 加えてスールシャールは、言わずとしれた元ストライカーとしての顔を持つ。ラッシュフォードに1カ月ほど得点のなかった12月上旬のこと。モウリーニョは決定力について「生まれ持ったクオリティがすべて」と発言。信頼を与え切れない若手の扱いに関する質問にうんざりしている様子も窺えた。

 その点、マンUで366試合出場、126得点を上げた実績を持つスールシャールは、就任翌週に「自分は学ぶことで(決定力を)磨いた。精神面の改善にも取り組んだし、シュートの練習とフィニッシュの練習は別物でもある」と述べている。また指導者としての第一歩が「クリスティアーノ・ロナウドやウェイン・ルーニーのいた当時のFWコーチだった」事実にも触れている。

持ち前のスピードが活用された。

 教えを受ける側のラッシュフォードが、神妙な面持ちでスールシャールの言葉に聞き入る自身の写真を、モルタルボード(卒業式でかぶる角帽)の絵文字を添えてツイートしたのは、第20節ボーンマス戦(4-1)前の練習後だ。

 2日後の試合、ラッシュフォードは4-2-3-1システムの最前線で起用されて1ゴール1アシストと結果を残した。右アウトサイドから相手DF2人を抜き去ってボックス内に切り込み、ポグバが足を出すだけで良かったアシストは、個人技に優れるラッシュフォードらしいお膳立てだった。

 ポグバからはその後、何度か決勝点のアシストを受けた。1度目は第22節トッテナム戦。右インサイドからポグバのロングボールに呼応したラッシュフォードは相手エリア内に走り込み、得意の右足でゴール左下隅に決めた。紛れもないセンターフォワードのフィニッシュだった。

 この得点シーンはチームメイトがゴールへ向かうスピードと積極性を活用し始めた好例と言っていい。

 3トップ中央に入った第25節レスター戦、ポグバからの浮き玉を物にした一撃も、ラッシュフォードの蘇生を示す重要なゴールだ。前半9分、肩越しに届いたボールをファーストタッチで支配下に収め、2タッチ目でゴール左隅に蹴り込んだシュート。自身のプレミア100試合出場に花を添えたとともに、これ以上に簡単な決定機を逃したばかりでの完璧なフィニッシュだったことに意義がある。

【次ページ】 ミスを気にせずゴールを奪え。

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